4球高一ラジオキット 4RF−STD製作記

ラジオ少年  原  恒夫

 

1 100本の6SG7届

  ラジオ少年に一通のメールが届きました。「手元に100本の6SG7がありますがラジオ少年で使いませんか」という有り難い申し出でした。いろいろな種類の真空管を100本以上も寄付して下さった方は、何人もいらっしゃいますが、同一真空管100本は、NPO法人ラジオ少年では、はじめてのことでした。勿論すぐ「いただきます、是非寄贈下さい。」と返信しました。数日すると大きなダンボールが届きました。なんと新品の6SG5が100本が届きました。これまでラジオ少年の真空管キットでは、GT管は高価なので採用しないでいましたが、この寄贈の真空管をもとにGT管を使ったキットを開発することにしました。

 
    未開封の6SG7が100本届きました





2 高一ラジオを企画

 試作は、高一プレート検波方式で始めましたが、どうしても感度が上がらず3R-STDなどの高周波増幅のついていない再生式ラジオに負けています。あらためてグリッド検波再生式の高感度に感心したところです。また、段間コイルの配置によっては発振することがわかり、高周波増幅の難しさを実感しました。
 気を取り直して、検波回路をグリッド検波再生式の試作に取り組みました。段間コイルは、配置に注意して最短距離でプレート回路やグリッド回路がくめるよう注意をしました。検波回路の負荷は、抵抗負荷と200Hのチョーク負荷を比較してみましたが、やはりチョーク負荷の方がはるかに大きい検波出力を取り出すことができました。
しかし、コストを考慮、抵抗負荷を採用しました。
 時間を要したのは、再生のためのカソードタップの位置でした。6SG7は、6BA6/5749に比べるとかなり高い位置から取り出さないと低い周波数から高い周波数まで再生がかからないことがわかりました。最終的には、カソードタップはE端子の20回上で取ることにしました。幸い昨年ハニカム巻き線器の寄贈を受け、段間コイルは、どんな容量のものでも自由に製作できるので、実験の結果を生かし、理想のコイルを巻くことが出来ました。
 こうして、多くの皆様の支援を受けて、4RF-STDをキット化することが出来ました。改めて、多くの皆様のご支援に感謝したところです。
 当初、整流回路はダイオードを使っていましたが、最終的に5Y3/5Z2Pを使用することとしました。


   
   段間コイルのP端子、G端子は最短距離で配線           整流回路は真空管を採用


 3 終わりに
   
  段間コイルの配線を最短距離で配線するようにコイルの配置をしたことで、全く高周波増幅での発振はありません。コイルの端子も配線に合わせて移したことも良かったようです。寄せ集めの部品でなく、自家製部品を設計に合わせて製作しているので、トラブルから回避出来ています。
 高い周波数では、バリコンのトリーマーでトラッキングを取ることが感度に大きく貢献します。低い周波数で再生がかかるようにカソードタップを上げていくと、今度は高い周波数で再生がかかり過ぎることになり、カソードタップを2段に切り替える方がより実用的かもしれません。
 グリッド検波再生方式は、感度が良く、音質もそれほど悪いとは思えません。更に高感度をねらう方は、検波管の負荷は、100〜200Hのチョークに変更することをおすすめします。
 GT管は、やはり迫力があり、真空管ラジオらしい雰囲気があります。

 最後になりましたが、6SG7を100本寄贈いただきました大阪市在住の渡辺瑛介氏に重ねて御礼申し上げます。