標準型4球電池管ラジオ(4S−DC−DX)製作記

NPO法人ラジオ少年 原  恒 夫


1 はじめに
 平成22年1月に簡易型4球電池管ラジオ(4S−DC)キットを発売し、多くの皆様に製作いただきました。このキットには、トランジスター用IFTを使い、IFTとOSCコイルを1枚の小さなプリント基板で作るということで、コストダウンをねらっていました。IFTが単同調ということで、通過帯域は狭く出来ませんでしたが、ローカル局が混信するというほど広くもなく、安価なセットとして好評を得た訳です。
 しかし、先輩の皆様には「こんなTR用IFTで満足出来ない!!!」と思いながら半田付け作業をすすめられたのではと推察しております。

 ということで、本格的な真空管用IFTを使った4S−DC−DXの開発をすすめていました。キットの頒布にあたっては、4S−DCを製作されて方が、真空管を使い回せるように球なしキットも頒布することにしました。また、互換球の中国球を使うことも検討しました。中国球はわずかに出力が落ちる程度で、安く提供できます。
この互換(ピン配置も同じ)の中国球は、フイラメント電流が30mA(出力管の2P2は、1.5V使用時で60mA)と少ないのでA電池の消費が少ないというメリットがあります。


2 製 作

 回路は、標準回路をそのまま使っています。IFTは、ラジオ少年製造頒布の標準型455kHzのRB−2を使用しています。出力トランス、スピーカーも大きくして、良い音を出せるようにしました。シャーシーは、余裕を持たせています。ケースは、4S−DCと同じ大きさの透明なプラスチックケースを付属していますが、やや窮屈で、シャーシーを入れるために、ケース内の出た部分をカッターなどで削る必要があります。もう少し大きめなケースを見つかられるのが良いと思います。

 
余裕のサイズのアルミシャーシー (ビニールシートをはがして使用して下さい)

                  使用パーツ

   
 右から3S4、1S5、1T4、1R5(アメリカ製)  右から2P2、1B2、1K2、1A2(中国製)
   
   標準型IFT RB−2を使用   40mm×90mmのスピーカーと出力トランス

 部品の取り付けは、端子の方向を確かめながら取り付けます。真空管のソケットも入出力の関係を注意しながら取り付け方向を決めます。
 配線は、まず、アース母線を張り回します。それからフイラメントの配線をしておきます。後はアンテナ側からでも出力側からどちらから配線を始めても良いでしょう。
参考までに、シャーシー裏面の写真を紹介いたします。ラグ板の使い方、部品の位置など参考にして下さい。

 
  大きい画面でご覧になりたい方はこちらです。

 
 配線の終わったところです


 
             プラスチックケースに収めました

 3S4のバイアス電圧は、680Ωの抵抗で得ています。中国球2P2に交換するときは、もう少し小さく500程度で良いようですが、680Ωでも問題がないようです。
 B電池は、9V電池を直列にしています。プラスチックケースの関係で、横に薄くなるように並べました。こうすると隣の電池と直列に連結するのに、古い9V電池のスナップを外して連結出来ることが分かりました。

   
       9V電池を連結しました  使用済み電池から外したスナップが連結器に


3 おわりに

 配線が終了しましたら、電池を接続し各部の電圧をチェックします。異常がなければバリコンをゆっくり回すとローカルの強い局が入ると思います。テストオシレッターから455kHzの信号を入れIFTの上下のコアを調節しましす。この時になって気が付いたのですが、IFTの上のコアに調整用コアドライバーを入れようと思っても、バーアンテナのフェライトコアが邪魔をして、コアドライバーを入れることが出来ないことに気づきました。シャーシーの構造を再検討しましたが、結局IFTを調整する際は、バーアンテナのフェライトコアを一度スタンドから外すことにしました。IFTは、一度調整すればほとんどさわることがないと判断し設計変更をしないことにしました。

 540Khz〜1620kHzまでが入るようOSCコイルと、バリコンのトリーマーを調整し、調整は終了です。

 いかがでしょう。結構大きな音量で、ホームラジオとしても十分な音量です。感度、選択度も十分ではないかと思います。これで、本格的なIFTを使った標準型4球スーパーの完成となりました。

 このキットの頒布開始しました。
 1U5を使用する場合は、1S5(1B2)とピン配置が異なりますから、配線を変更する必要があります。