6V6(6P6P)シングルステレオアンプキットを作る

NPO法人ラジオ少年  原恒夫

 


1 はじめに 
  久しぶりにアンプキットを組み立ててみることにしました。パーツやケースを1個づつそろえると割高になりますので、キットを求めてみました。中国のアンプキットの各社のホームページをみますと、様々な種類のアンプキットが販売されていますが、今回は初心者向けを選びました。シンプルながらケースも付いていている6V6(6P6P)シングルステレオアンプを選んでみました。中国製ですので、電源電圧は220V仕様になっていますが、メーカーにお願いして100V仕様の電源トランスに変更してもらいました。
 整流は真空管で5Z3(5Y3)で、平滑回路にはチョークが使われています。平滑回路がコンパクトなプリント基板になっているのにも気にいりました。

 約1ヶ月で手元に届いたのですが梱包材がいっぱい使われていて、荷痛みもなく無事に届きました。ケースもトランス類もしっかりした作りで、中国製も良くなってきたものと感心しました。心配していたアンプケースの鉄板の強度もあります。塗装もきれいで焼き付け塗装のようで簡単にははげないようです。

2 製 作

 梱包から開けた部品やケースを紹介します。

   
      左から出力トランス2個、電源トランス、チョーク       左から6P6P 2本  整流管5Z3  12AX7
   
    平滑回路の基板と全パーツ            シャーシーとトランスカバー、真空管カバー


 使われている部品もしっかりしたものが入っています。特に入力端子と出力端子は良い物を使っています。配線用のビニール被覆線が豊富に入っているのには感心しました。ただビスナット類の説明がなく、どのビスがどこに使うのかよくわかりませんが、これは穴の数から推測しながら使うことにします。

 回路は12AX7の半分で増幅し6V6へ送り込むというシンプルなものです。ただカップリングコンデンサーが0.047μFが付いていましたが、もう少し大きく0.1μFを使うことにしました。


   
 主な部品を取り付けました 真空管ソケットは、方向に注意です

 備考 製作された方から電源トランスの隣にチョークを
置いた方が良いのではとご指摘を受けました。
 私もその方が良いと思います
。反省です。
  背面は豪華なSP端子  電源コンセントの中にヒューズがあります
 
              大きい写真はこちらです


   
 ボリュームは取り付け前に必要な線を半田付けしておきます。
右回路は赤い線、左回路は白い線、アースは黒い線と決めておきます。
 

 まず平滑回路のプリント基板に部品を取り付け半田づけします。コンデンサーとダイオード、ツェナーダイオードの極性に注意し取り付けます。

 全体の配線に先立って、1.2mmφの太い鈴メッキ線でアース母線を張りました。この太い鈴メッキ線はキットに付属していませんでしたので、用意しました。
 アースは、すべてこのアース母線に配線します(一点アース)。最終的なシャーシーへのアースポイントは、RCA入力ピンの近くにします。

 初段菅の12AX7のヒターは並列つなぎで6.3Vにし、電源トランスに3.15Vの端子が二つ出ていますので、これを使います。センターはアースをします。
 6P6Pのヒターは、別の6.3V回路から配線します。6P6のヒーターの6.3Vラインもどこかアース母線に近い所で片側だけアースをします。これを忘れるとハム音が出ます。
 整流管の5Z3は、5Vですので、整流管用の別巻き線の5V端子を使います。この5V端子の両端には、高圧が整流されて300V近い直流が出て来ていますので、絶対にアースしてはいけません。
 
 部品点数は少ないのですが、誤配線のないように注意して配線をします。付属の配線用の線は、量も多くまたキットにしてはめずらしく質の良いビニール被覆線が使われています。しかし、肝心の入力端子からボリュームまでのシールド線が付属していませんでしたので、別途シールド線を用意しました。
2時間位で配線は終了しましたが、誤配線がないか再点検しました。
 真空管の各電極にかかっている電圧もチェックします。


3 試 聴 
 すなおな音です。高域も低域も十分ではないかと思います。出力は、最大4W+4Wは出ています。
 初心者向けキットですが、上級者も十分楽しめるアンプです。

 折角トランスのカバーや真空管のカバーもあるので最後に取り付けることにします。ところがトランスのカバーを止めるビスの頭が少し特殊になっており普通のプラスドライバーでは回しにくようです。手が入らず磁石付きドライバーでないとうまく差し込めないので、筆者は全部のネジの取り付けをあきらめ止めやすいところでけにしておきました。

 最近秋葉原の電気街を散策しましたが、このアンプの完成品が販売されていました。販売価格は35,000円(税込37,800円)です。業者さんも良い物を探す努力をされていることに感心しました。