標準型6石トランジスターラジオ製作記

原  恒 夫




1 はじめに 
  本会頒布の7石トランジスタラジオKIT−2とKIT−3は、あくまでも教材用としてケースやつまみをつけないで低価格で頒布しております。
 しかし、ケース付きの実用性のあるキットの頒布を希望が結構あります。幸い、韓国の大手キットメーカーからこの要望に応えるキットを輸入し頒布することになりました。回路は、実に標準的なもので、筆者が半世紀前に作ったものと変わらないものでした。しかし、部品の省略はしておらず安定した動作が期待できます。ただ、最近は円安でウオン高の状態で、やや割高感がありますが、きちんとしたキットなのでやむなしというところです。

2 組み立て
  パーツは、プリントされた厚紙に丁寧につけてありますので、抵抗のカラーコードなどが読めなくとも間違いなく組み立てられます。説明省は、ハングル文字で理解出来ないのですが、回路図や丁寧な図解で、特に組み立てに際して不自由は感じませんでした。念のため、ラジオ少年で、IFTや電池接続などの補足説明書を入れてあります。

 すべての半田付けが終わったらボリュームのつまみとダイヤルつまみを取り付けます。
 ダイヤルつまみは、赤い線が内側に来るよう取り付けます。

10ページに及ぶ丁寧な組み立て説明書  パーツの取り付け位置が分かりやすい




プリント板には、一部の部品が取り付けてある すべての部品を差し込みます
半田付けは、コテ先と半田をプリント板まで持って 半田付けが終わったら余った線を切ります

3 調 整 

 電池をつなぎスイッチをいれるともう近くの放送がガンガン聞こえてきました。
 7石トランジスタラジオキットと同じです。テストオシレッターなどの測定器が無い場合です。

(1)IFTの調整  付属のドライバーで3個のIFTのコアをゆっくり回します。弱い放送や雑音の有るところで3個のIFTをゆっくり回して最高感度に調整します。
この調整は、2〜3回繰り返します。

(2)OSCコイルのコアを回して低い周波数の放送がダイヤルメモリにおよそ合うようにします。次に高い周波数の放送を受信して、ポリバリコンのOSC側のトリーマーを回し、およそダイヤルメモリに合うようにします。

(3)最後に高い周波数の弱い放送を受信して、最高感度になるようポリバリコンのアンテナ側のトリーマーを回します。

4 終わりに

 ケースの組み込むと全く市販のラジオと変わらない実用的なキットです。さすが韓国のキットだけあって、プリント板の設計や使用部品もよく、初心者でも容易に組み立てられるでしょう。50年近く前に作った6石ラジオを思い出しながら製作しました。青少年そして元青少年の皆さんにラジオ製作を楽しんでいただきたいと思います。