超低価格7石スーパーラジオの製作

                                       筆者  ラジオおじさん  JA8ATG  原   恒 夫




1 足し算が合いません

  部品の価格を足し算してみますとどうしても足し算が合わないのです。トランジスタ7石、バーアンテナ、ポリバリコン、OSC、IFT、ボリューム、スピーカ、段間のトランス、CR類、プリント板、など秋葉原を巡って安い物を買い集めても2000円以上はかかるのでは、と思うこの7石TRラジオなんと完全キットで1000円なのです。WEB SHOP 「ラジオ少年」の頒布品です。早速半田ごてを握って製作にとりかかりました。

2 回路と部品  配線図はこちら

 回路は、標準的な局発混合、中間周波増幅2段、ダイオード検波、そして出力トランスだけを使わない0TL回路です。シルク印刷どおり組み立てて行きます。注意するのは、電解コンデンサーの極性とトランジスタの電極です。電力増幅のトランジスタの電極はわかりにくいのでよく取説の図を見て下さい。OSCコイルは赤色、IFTの前段が黄色、検波段が黒です。

スピーカーを写すのを忘れました CR類を差し込みます
いよいよ半田付けです 100円ショップで買ったプラケースに入れました

3 調 整

 部品の差し違いやTRの極性に間違いなければ、電池を付ければもうなんか放送が入って来ます。バーアンテナのコイルの位置が取説の図のように左はじまで寄せてセットします。私は、最初コイルをフェライトコアの真ん中において調整してましたら、やたら高い周波数の感度が悪いと思いました。それでLCメーターでインダクタンス測定してみるとなんと600μHもあり高い周波数に同調していないことがわかりました。それで取説の図をみてみますと、ちゃんと同調コイルは左端になっていました。左端でインダクタンスを測定すると450μHになり、160pFのポリバリコンと組み合わせると540〜1600kHz位の範囲で同調出来そうです。

 詳しい調整方法は、標準の7石スーパーと同じですから、そちらをご覧下さい。1点注意した方が良いのが、OSC、IFTのコアですが、コアがきつく幅の狭いドライバーで調整してましたらコアの溝が割れてしまいました。ケースの穴に入るぎりぎりの幅広ドライバーでコアを回して下さい。

4 雑 感
 
 誤配緯さえなければ、感度が悪いにしてもとにかくなにか放送が聞こえてきますが、必ず455kHzでIFTの調整を済ませて下さい。トラッキングをとり聞いて見ますと、ローカル局に混ざって本州の放送も聞こえてきました。感度、出力共に標準のトランジスタースーパーラジオになんの遜色もありません。私は、100円ショップのプラスチックケースにいれてみました。ポリバリコンは延長シャフトを付けています。これで1000円とは信じがたいキットです。