実践ICラジオ(イヤホンタイプ)の製作
著者  ラジオおじさん JA8ATG  原  恒 夫


1 初めに
  タイの大手キットメーカー Hobby World Center 社の種類の多いのには驚いてしまいます。タイの大手販売店のNPEには、Hobby World Center社のキットと完成品が大部分揃えられています。その展示面積には驚いてしまいます。長さ30mの列が2列、つまり60m近くもところ狭しと展示販売がされているのです。しかし、残念なことに「ラジオ」はほんの数種類しかありません。眺めているうちにICのストレートラジオがスピーカータイプとイヤホンタイプの2種類あることがわかりました。
「よし、イヤホンタイプも作ってみよう!」
早速おじさんはイヤホンタイプのICラジオを買いました。袋を開けて回路を見ますと、スピーカータイプと同じ高周波増幅と検波回路の入ったICと低周波増幅のトランジスタ2石を使っています。ただ、アンテナコイルは、坪型コアのスパーラジオのOSCコイルを使っています。
「こんな小さなコイルではアンテナ無しでは受信出来ないな。」
おじさんはそんな予想をして組み立てを開始しました。

2 アンテナなしで鳴る!!!
 早速プリント基板に部品を付け半田付けを開始しました。組み立ては、約15分で完了です。イヤホンはマグネチックイヤホンで、インピーダンスは30Ω程度のようです。単4電池を2本を直づけしてみます。するともうイヤホンから音楽が流れて来ているではありませんか。おじさんの半地下の工作室で聞こえるなんて凄い感度です。イヤホンを耳につけてみるとそれこそガンガン受信出来ます。
「バーアンテナなしでこんなに聞こえるのか!」
おじさんはすっかり感激してしましました。低い周波数の局が聞こえないので親子ポリバリコンを子の方もパラレルの接続してみました。やった700kHz代のNHK第2が受信出来るようになりました。しかし、依然として567kHzのNHK第1は聞こえません。ディップメーターを発振させて受信周波数を確認するとやはり最低受信周波数は約700kHzです。
「この坪型コアのコイルのインダクタンスはいくらかな?」
おじさんは、この小さなコイルの容量を確かめてみました。LCメターで測って見ると最大容量は180μHしかありません。ポリバリコンは、親の方が160pFで子が70pFでパラレル接続ですから合計230pFで、540kHzを受信するには360μHは必要ですから、このコイルでは容量が不足です。しかし、こんな小さなコイルを使って、こんなに高感度なのには驚きました。

このキットは WEB SHOP 「ラジオ少年」で頒布しています
CR類を差し込んで半田付けします もう聞こえています こんな小さなコイルで受信です


3 大型バーアンテナで最高感度に挑戦
 バーアンテナのコアを探していましたら長さ12cmのコアが見つかりました。これにホルマル線を巻いて360μHのバーアンテナを作りました。ケースも100円ショップを探し回って化粧品入れを見つけてきました。これに電池まで含めて全部組み込みます。100円ショップは、宝の山ですね。この他にも様々なプラスチックケースがありますので、皆さんも100円ショップでケースを物色して下さい。
 さすがに大きなバーアンテナの威力です。音量が大き過ぎてうるさいほどです。ボリュームが必要です。勿論最低受信周波数も540kHzまでOKになりました。

12cmのバーアンテナがぴったり入ります ダイヤルを付けて完成です

4 スピーカーは鳴るか?
  イヤホンではうるさいほどの音量なので、スピーカーが鳴るかもしれないと思いました。しかし出力インピーダンスは30Ωとのことですから普通の4Ωや8Ωのスピーカーではマッチングしないようです。ひらめきました。100円ショップに32Ωのスピーカーが売っていたのを思い出しました。早速、100円ショップに出かけてみますとありましたテレビの音を手元でならすためのスピーカーです。3種類ありましたが、将来このICラジオを組み込めるよう大きいケースのものを選びました。スピーカー、ケース、そして3mものプラグ付き線が付いて105円です。信じられない価格です。この32ΩのスピーカーをこのICラジオにつないでみました。すると結構大きな音で鳴るのです。推定20mw位のようですが、一人で聞くには十分な音量です。
 これも100円ショップで見つけた小物入れです。ラジオ少年からガールフレンドにプレゼントしても彼女は喜びませんかね????

このスピーカーが105円です 小物入れにまとめてみました ケースの中にイヤホンもしまえます