実践セラミック発振子を使ったテストオッシレターの製作
筆者 ラジオおじさん JA8ATG 原 恒夫
1 安定した455kHzとラジオ調整用スッポット周波数を作る
LC(コイルとコンデンサー)発振は連続して周波数を変えられるというメリットがありますが、安定な発振をさせるには機械的にも電気的にも相当慎重に作らなければなりません。しかし、スッポトで良ければ水晶やセラミック発振子でもいいわけです。IFTの調整は、正確な455kHzが必要ですので、セラミック発振子を使って実験してみました。2SK19で発振させますと簡単に正確な455kHzを作ることが出来ました。ついでにセラミック発振子はどの位の周波数を動かすことが出来るのかテストしてみました。セラミック発振子に並列または直列にバリコンを入れて見ますと、なんと±20kHzつまり±5パーセント位簡単に動くではありませんか。
そこでセラミック発振子を買うときは、なにも455kHzでなくとも安い455kHzの近くを買えば良いことがわかりました。
ついでにBC帯の単一調整をする時に必要な600kHz、1400kHzあたりを発振するセラミック発振子を切り替えてつかえばよいのではないかというアイデアです。BC帯のバンドエッジの確認のために540kHz、1620kHzも出せると好都合です。最初、455kHzのセラミック発振子で、2倍波や3倍波を利用しようかと思いましたが、セラミック発振子が100円以下で買えるならなにもてい倍波を利用しなくても良いのではないかと考え直しました。というのは、未調整のスーパーラジオの場合、2倍波を受けているつもりが3倍波であったとういトラブルが予想されるからです。豪華に1波に1個のセラミック発振子を使いましょう
2 基礎実験です
手持ちの455kHzと500kHzのセラミック発振子を発振させてみました。上記のように2SK19でなんなく発振しました。受信機で発振周波数を確認しますと、楽勝に±20kHz位は動いてくれます。動かしたからと言って周波数変動は全然感じられません。CWモードでビートを取っても、まったくビート音は変化しません。いったいどの位動かすと不安定になるのでしょうか。これでは、セラミック発振子を発振させた場合は、必ず発振周波数を確認しなければ心配です。特にIF周波数の455kHzは正確でなければなりませんので、組み立てたら周波数カウンターや受信機で発振周波数を校正しなければなりませんね。
100円以下で買えるセラミック発振子 | バラックで実験しました |
3 スポット型テストオッシレーターに仕上げる
では、セラミック発振子を使って、455kHz,540kHz、600kHz、1400kHz、1620kHzのスパーヘテロダイン方式に最低必要なスッポト型テストオシレーターを作りましょう。なにか大げさですが、セラミック発振子をロータリースイッチで切り替えるだけです。BC帯のバンドエッジがわかるとコイルとバリコンの組み合わせの確認に使えてとても便利です。セラミック発振子は、目的に近い周波数のなるべく安いものを買いましょう。455kHzとか1000khzとかよく使いそうなところは価格が高いので少しはずしたところを買いましょう。と言ってもセラミック発振子は、あまりさまざまな周波数のものは市販されていませんね。
続く