1アマ・2アマ受験体験記
合否に係わらず、1アマ・2アマ国試受験の体験記と勉強方法などの原稿を募集しております。実名又は匿名を明記の上、原稿をお寄せ下さい。その際、使用した参考書、問題集や参考にされたホームページもお教え下さい。原稿は、趣旨が変わらない範囲で編集することがあります。ご了承下さい。
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第1級アマチュア無線技士 受験奮闘記
「コロナ騒動中・73歳2度目の挑戦」 JA3JMG 岩鼻貞夫
第1回目の受験 令和元年12月期 →不合格(法規は及第点、無線工学は94点)
第2回目の予定 令和2年 4月期 →コロナで受験当日に会場で試験中止の連絡受ける。
第2回目の受験 令和2年 9月期 →合格
1. 受験の動機
・所属クラブ局の約半数のメンバーが現在1アマである事を知り我も!と奮起する。
2.略歴・経過
・工業高校2年(S39年)で電話級を取得し校内のアマチュア無線クラブで所属活動する。
・下宿先からの開局は困難とみて自宅通学に変更、7M?で開局するが卒業と共に休止。
・25歳で自宅を建てる機会に恵まれ同時に50M?(A3・F3)で改めて開局する。
・会社の知人から「アマチュア無線ってトンツーの事ですか?」と聞かれ、えっと思い
友人と2人で講師宅を訪問、電信を数ヶ月練習して26歳で電信級を受験〜合格する。
・JAコールで電信級では!との思いがあり27歳で2アマにチャレンジ、先ずは実技のみ受験し科目合格、半年後に無線工学と法規を受験、S50年28歳で免許を取得する。
・30代に入り仕事も忙しくなり固定局、移動局とも細く長く継続活動していたが50歳からグループ会社に単身赴任で出向そして数年後に転籍となりアマ無線はほとんど出来ない状況となる(赴任先ではハンディー機のみ所持)
・仕事も一次定年後60歳過ぎから週3日間の勤務となり時間的にも又シャックの確保もよりハムライフが出来る環境となる。70歳代に入り仕事も自由が利く状況になり、又クラブ員の勧めもあり72歳で1アマにチャレンジすることとなった。しかし年齢と共に理解力、記憶力、体力とも衰えは明らかで問題集を解くにも苦労の連日でした。
3. 受験のための参考図書
@ 第1級・第2級アマチュア無線技士国家試験用 解説・無線工学(2019〜2020)
CQ出版社 野口 幸雄 著 3,400円(税別)
A 電波法令抄録(2019〜2020)C Q出版社 1,200円(税別)
B ずばり合格 第1級アマチュア無線技士問題集 編集 株式会社QCQ企画 2,200円
4-1 1回目の受験 勉強方法(4ヶ月半)
・電波法規 過去問題集3年間(9回分)ほとんど電波法令抄録を確認しながら記憶する。
・無線工学 過去問題集4年間(12回分)ほとんど参考図書を確認しながら理解をする。
※勉強する時間帯は通勤電車の中、乗り継ぎの駅校内、会社の昼休み時間、
自宅内では毎日22時〜23時の1時間、23時以降〜復習とスクラップノートの作成。
※解らない難問は毎夜QSOしている60歳代の友人(20歳代で1アマ合格しているJR3MNC局(私にとっては無線工学の師匠でありANT等物づくりの技術アドバイザー)に指導を受ける日々、言葉では表現解読出来ない問題は自宅に来て頂き直接指導も受ける日もあった。
4-2 2回目の受験 勉強方法(下記@で3ヶ月間+Aで4ヶ月半=計7ヶ月半)
@ QCQ企画の通信教育(5回+直前コース)22,000円←結果的に4月期はコロナで中止。
A QCQ企画の通信教育(5回+直前コース 4,000円←9月期受験のため再受講 合格
5.無線工学試験問題の内容
・過去問題90%(27問)+新問題10%(3問)の出題実績との事で臨んだが半数近くが新問題及び応用問題の嵐が連続!最初の1問目から見たことがない問題で面食らう。
「2つの点電荷を含む平面上の任意の点の電界の強さを求める計算問題」
※過去問を3回以上繰り返し頭に叩き込む記憶勉強方式だけでは合格点が困難な時代か?とも感じた。問題の内容を理解して覚える、そして忘れない様に繰り返し 復習するのが一番良いのではないかと思われる。
※キルヒホッフの法則による計算問題、交流回路のLCR複素数計算問題、送受信アンテナ間の電界強度や距離を求める計算等時間がかかる問題は出題されていなかった。
かなり時間をかけて勉強したが!でも将来的に何か役に立つだろうと思っている。
6.まとめ
・数局の受験体験記、奮闘記を拝読して参考にさせて頂いた項目をリストアップします。
@ 合格への早道は「QCQ企画様の通信教育を受け出題予測問題を限られた期間内に
効率良く勉強した」ことであったと思っています。私が高年齢?受験の所見ですが!
A 「不合格になったら次の期に直ぐ受験」、間を明けない事だと思います。
B 「あきらめなければ誰でも必ず合格する」の言葉には大変励まされました(感謝!)
再開ハムの1アマ受験期 JH8JNF/1
1. はじめに
電話級アマの国試に合格して、このコールをいただいたのは中学2年生の頃でした。
小学生の終わり頃にあったBCLブームからハムに流れてきたJNF少年はHFでの海外交信が目標だったので、いつかは1アマをとって、14MHzで500Wというのが夢でした。
高校生で2アマを取りましたが、14MHzデビューも、QROもCWデビューもせず、受験・進学でQRTとなりました。
さらに局免は更新せずに流してしまい、その後1エリアコールで再開するも、アパートでアンプIが発生し、当時の知識・技術・財力では解決できずにQRTとなりました。
そして30年が過ぎました。
無線やBCLからは離れていましたが、年々やせ細っていくCQ誌をたまにチェックするくらいには、いつかは1アマという思いがありました。
今年(2014年)の夏の終わり、CQ誌9月号を本屋で立ち読みして目についた上級挑戦企画の空中線の問題を解いたら、まだ結構解けるではありませんか。
それで「今年こそ受験するぞ」と決断したのが受験のきっかけです。
そのまますぐに受験準備に入り、10月に出願、そしてH26年12月期の1アマ国試を受験してきました。受験料も高くなったものだ、と思いました。
2. 受験勉強:背景
大学での専攻はコンピュータ(ソフトウェア系)でしたが、当時はまだ電気電子系学科のひとつという色合いが強く、卒業必須単位として交流回路・電磁気学などを回路系希望の人たちの片隅で履修していました。
さらにコンピュータ系の授業だけでは単位が足りないため、通信方式とか複素関数、トランジスタ〜オペアンプくらいまでの電子回路の基礎的な授業は単位をとっておりますので、私は少し特殊な背景かもしれません。
でもさすがに30年の年月で記憶も色あせ、今回の受験で久しぶりにインピーダンス計算をすると、複素数計算で×、ということが多かったですし、実効値平均値などもそうとうに怪しい状態でした。
3. 使用した参考書・問題集
平日は家で勉強する時間がなく、主に通勤の帰路で電車の中で勉強したり、ちょっと早く会社を出られるときに開いているカフェで1時間くらい勉強したりというスタイルでしたので、通勤鞄に入れて我慢できる重さの組み合わせで本を持ち運びました。
CQ出版の国試の過去問本とハム国試直前総仕上げの2冊だけです。その他にCQの解説・無線工学、東京電機大出版の精選400題も購入だけはしましたが、どちらも立ち読みレベルで開いただけで、もったいないことをしました。
試験会場では他にもいろんな教材をみかけましたが、とにかく全範囲をカバーする教科書系の本と、何らかの過去問問題集の組み合わせでの勉強が一般的だろうと想像します。
4. 勉強法とペース
・8月下旬
まず直前総仕上げはページ数も少なく、全体を駆け足で眺めるには良いです。まずはこの薄い本を一回最後まで読みました。
しかし、詳細な解説は全くありませんので勉強をするための本ではないです。
幸い(?)なことに私は交流回路と電子回路系の基礎的なことは大学時代にやった「イメージ」だけは残っていましたので総仕上げだけである程度思い出せました。
交流回路はインピーダンス計算のみならず、送信機や空中線、測定、電源など計算問題の基本なので最重要項目と思います。
私自身は
「あれ、コンデンサのリアクタンスって -j かければいいんだよなぁ、なんで計算が合わないの?」
「うーむ、なんでこの項消えないかな・・・あ、ここで符号間違ってる」
・・・そんな事の繰り返しが11月一杯まで続きました。
・9月中旬〜
一通り眺めて思い出したつもりになって、9月中旬から3週間ほどかけて、CQの問題集を全問やりました。これが1周目です。
1周目は解けなかったら、解答をチラ見しながら続きを解いたりしつつ、まだ覚えなくてもよしということにして進めました。
解けなかった問題には歯が立たないものに×、式だけできたとか穴埋めが半分くらいできたとかに△をつけていきました。
×と△がついていないのは勉強しなくても出来たものということになります。
この時点で、きちんと集計していませんが、工学は6割程度、法規は5割強が正解というところでしょうか。
工学は分野により正解率に激しい差がありました。法規は従事者免許だけは結構正解しましたが、その他はまんべんなくできない問題があり、特に通信憲章などは全滅に近いです。
・10月
仕事が忙しくなったのと、一回り目に意外に工学が出来たので、さぼってしまいました。
・11月
10月ほとんど勉強しなかったので、試験まで一ヶ月となった頃からあわててもう一度全問を解きはじめました。
2回目で出来なかった問題はノートに覚える項目を箇条書きしたりして後で暗記項目リストにできるようにしました。
2廻り目が終わったのは試験の7日前です。2回目では工学が7〜8割正解、法規は7割いったかどうかくらいです。
・12月(最後の一週間)
暗記系のものを覚え始めたのが、直前の1週間です。(試験は12月6日)
1,2,3の三日間で問題集のうち、1/2回目で間違えた問題を3回目として集中して解きました。
この段階でH26年の8月の問題を解いたところ、9割以上の正解率にやっと到達です。
4,5の二日間は、3回目でも間違った問題を中心に、それぞれ問題集を4周り目・5周り目として解きました。
H26/4, H25/12の問題はこの時点で95%以上は正解できました。
ちなみに、ですが、試験で新規問題が毎回1割近く出てますし、また本番ではポカを1割くらいやる可能性があるので過去問の正解率は9割はほしいと考えていました。
(9割が既出として、うち9割が正解を出せる問題、、9割ポカ無しだと0.9 x 0.9 x 0.9 = 0.729ですからワーストケースでは7割ぎりぎりです。。)
5. 当日
行きの電車で法規を最終復習し、時間ぎりぎりまで近所でコーヒーのみながら復習して会場入りは09:07頃でした。
法規は20分ほどで解答し終わり、2回見直して1時間で途中退出しました。
工学までの時間に早めの昼をとって、またコーヒーを飲みながら、暗記系の項目を最終確認しました。
本番はすべて解答するのに30分かかり、これももう一回だけ見直して途中退出です。
6. 自己採点
QCQさん、そして日無からの解答公表を見て自己採点したところ、法規が6点減点、工学は幸いなことに満点でした。
少年の頃の夢に一歩近づいたようです。
7. うまくいった点、反省点
暗記系の分野を後回しにして「考え方」を覚える・思い出すのを優先して、試験準備の順序は正解だったと思います。
一方、10月にさぼったツケが12月にやってきて、最後の一週間で20時間以上勉強時間をとる羽目になり、当日眠かったです。
ペース配分はご慎重に。
8. さいごに
受験勉強を開始して、アマチュア無線のことをウェブでサーチしたりすることが増え、現在は旧コールを証明できれば復活できるということを知り、9月から10月にかけて、8エリア時代のコールで移動する局と移動しない局を開局してしまいました。
お隣のHL国では「見物欲心」という4文字熟語があるそうですがまさにその通りになってしまいました。
賃貸アパマンゆえ、現在の住まいの1エリアではアンテナNGの上にノイズもひどく、なかなかQSOも出来ていないのですが、8エリアの固定局からは今後ときどき電波を出せそうです。
1アマを取得できてもキロワットという訳には参りませんが、それはまた今後かなえる夢として持ち続けたいと思います。
教材にあえて苦言を呈します。
CQ出版の問題集には、電話級、2アマ、今回の1アマと全部の国家試験でお世話になってきました。また、2アマの時は上級ハムになる本で勉強したものです。
でも今回の問題集は誤植等が多く、とても残念でした。
また計算法も「近似値を次々に求めていく」ような計算となっており、平方根を約分して消すなどの計算の工夫が見られない解説があるのが残念です。
これから同問題集をお求めになる方は、念のために出版社の正誤表を確認すること、また、計算法は自分が楽・正確に計算できるようなコツを見つけられますよう。
そして、これをお読みになる皆さんの受験もうまくいきますよう、祈っております。
de JH8JNF/1
1アマ受験体験記 JH4QFI 重村 直孝
新しいシャックの建設の夢が受験の原動力に
1 受験の動機*
販売店のオーナーに、1アマの試験から、CWがなくなったよ。ペーパーだけになっと、言われ。CWがなかったら私でも・・・。という軽い気持ちでした。また、受験生中に仕入れた情報ですが、1アマを取得し、開局後1年たったら、講習会の講師ができる。ということ。
JARLにお聞きすると、コーディネーターと講師2名でアマチュア無線養成の講習会が開催できる。そうなので、だったら、今の勤務校でも開催できる。生徒に何らからきっかけづくりができるということでした。また、夏休みに、近くの公民館でラジオ制作講座を開いたところ、以外にもたくさんの参加希望があり、なんだ、ラジオ離れでなく、単なる、ラジオに触れるきっかけがないだけだな、と確信しました。
2 受 験
(1) 1回 目
受験日 平成26年 4月
会 場 広島市
法規は合格、工学は、7点不足で不合格でした。
法規、工学ともひねくった問題は全くなく、不合格になったことが悔やまれました。完全に勉強不足です。
(2) 2回 目 受験日 平成26年8月 会場 広島市
法規はひねくった問題が1問、
工学は新しい傾向の問題「スイッチング電源」が出題されました。自己採点では、満点には届きませんでしたが、法規、工学とも10点減点で合格通知が来ました。
(3) 私の傾向
中学校2年 電話級 一度失敗して2回目で合格
大学生(?) 無線の虫がじわじわ出てきて 電信級を受験
このころは、送受信の試験があり、1回目は試験管から「何うっとるのかさっぱりわからん」で、不合格。2回目合格々になり、この試験 管の言葉がCWのトラウマになりました。
これでお分かりのように私は1度は失敗します。2アマ受験では、勤務校から直接、会場近くのビジネスホテルへ、単身赴任中なので、 家に帰れば、いろいろな話があり、勉強どころではないと判断した結果です。ホテルに卓上電球を用意してもらい。久しぶりに徹夜。さす がに1時間はねましたが、フラフラになりながら、受験。これは、1回目の受験で、まぐれで合格をもらいました。ビジネスホテルに泊まっ て大成功でした。
(4) 勉強方法
日ごろ、私は、主に2mでの運用で、CWの運用はもちろんHFの経験もほとんどなく、アンテナも市販品ばかり、昔、AMのループアンテ ナを作っただけで、「日ごろの経験がものをいう」というわけにもいきませんでした。
問題集を2冊用意して、徹底的に解きます。時間があるとき、少しの時間でも、問題集を開きました。妻が、受験生を抱えているようだ ねえ。とぼやいていましたが、とにかく問題集を1冊につき最低3回は行いました。
・問題集のブックカバーを変え、どこで開いても恥ずかしくないようにしました。
・わからないところは、すぐ調べる。明日に持ち越さない。を徹底しました。
・受験勉強といえるのは4か月前からです。試験1か月前から、過去5年間分の試験を何度も何度もやりました。一日に1年分(3回)をこ なし、わからないところは、問題集と、「アマチュア局用電波法令抄」ですぐ調べます。
・私は暗記が大の苦手で、ただ覚えただけのものはすぐに忘れてしまいます。論理的に覚えれば、忘れません。どうしても、覚えれない 場合は、何かに関連図けて、化学の周期表を覚える要領で、自分で語呂合わせの言葉を作り、覚えました。
・法規は、勉強が深くなると、法律の傾向が見えてくるのでだんだん面白くなります。
・工学は、理論で覚えれるところと、暗記、ごろ合わせで覚えるところが明確になってきました。
・計算は慣れです。数をこなすと、自然と計算に工夫が生まれ、簡単に計算できる手順を発見できます。自分で発見できるわけですか ら、忘れません。
・新傾向の問題を気にする必要は全くありません。問題集2冊、5年間の過去問をきっちり解いておけば、合格します。満点を狙うのは 新問題があるので難しいですが、問題集に出た問題は必ず解くつもりで勉強するべきです。
3 最 後 に
現在、マンションの屋上に7MHzのフルサイズのワイヤーアンテナを設置させていただいています。これから、電子申請で、1アマとして 開局します。
生徒にきっかけを与える材料として資格がほしくなり、また、自分のスキルをアップする方法として、1アマ合格を糧としてきましたが、な にはともあれ、合格して、ホッとしました。
たまには「受験生」になることは大切ですね。
いろいろなことを行うのに
「組織」ではなく、まず「個人」なのです。個人がスキルアップすると、行動できます。 そして、組織が動きます。そして、いろいろなもの が、出来上がります。組織が先ではないのです。時間がかかり、無駄かもしれませんが、それが手っ取り早く最短ルートです。 自分で できないことはみんなに助けてもらいます。それがチームだと思います。
資格は有って損をすることはありません。また、1アマの資格をとったからと言って、すぐベテランになれるわけでもありません。資格の次は、経験だと思います。自分をスキルアップすることは死ぬまで続きます。
<使用問題集> 以上3冊です。
*第一級アマチュア無線技士試験問題集 (合格精選400題) 吉川忠久*
*第1級ハム国家試験問題集 野口 幸雄*
アマチュア局用電波法令抄録
1アマ国試の受験体験及び無線工学問題で計算間違いを減らす為に 団塊試爺(匿名)
【1】小生の略歴と受験に至る経緯
若い頃化学科の学生だったので電気の専門教育は受け無かったのですが、部活で、アマチュア無線同好会に入り、電気科の先輩から色々教わりました。22歳で2アマに合格、3Wの6mハンディ機で数年QSOしただけで、アマチュア無線からは、実に40年余り遠ざかっていましたが、この春「今は1アマの国試も電信の実技試験が無くなり、解答は記述式ではなく選択式に変ったので誰でも合格出来るよ」と1アマの自分の免許を見せてくれた昔の仲間のオイシイ話に、アマチュア無線は再開出来なくても受験勉強がボケ防止の脳トレの足しになるかもと思って今年8月に初めて受験し、合格しました。
【2】受験に使った参考書籍や資料
(1) 国試過去問題一覧 (JH3KCW氏のWebサイト)
http://www.dental.gr.jp/web/jh3kcw/kokushi/kokushi.htm
(2) 第1級・第2級アマチュア無線国家試験用 解説・無線工学 2013/2014 (CQ出版社)
(3) アマチュア局用 電波法令抄録 2014/2015年版 (CQ出版社)
(4) 新・楽しくおぼえる1アマ攻略 (CQ出版社)
【3】本稿を書いた理由
これから受験される方に役立つかと思い、小生なりに何点かアドバイスをまとめました。法規と無線工学がありますが、主に無線工学、中でも計算問題の解き方について計算間違いをなるべく減らす方法について述べていきたいと思います。
法規、無線工学どちらも過去問と同じか、類問がかなり多く出題される傾向なので、基本的に受験勉強は、最近5、6年の国試で出題された過去問を繰り返し、解いてみて、もし分からない時は、上記参考書で解き方を調べるのが早道と小生は思っており、実践しました。(最初から参考書を隅々まで読んで、それを全部理解・暗記する必要は全くない。)ただ無線工学で出題される計算問題は、解き方が分かっていても、往々計算間違いをしてしまうことがあります。特に、最近は電卓やパソコンに頼って、筆算をする機会が減っている中高年者においては計算能力の低下が顕著で、小生もその例に漏れません。つたないながら、小生の計算間違いを減らすための工夫をご参考までに紹介致します。
【4】計算間違いを減らすには?
(1) 基本:複雑な計算は、極力避けて、簡単な計算法に変更し、計算間違いを防ぐ。足し算<引き算<掛け算<割り算の順に難しくなります。また答えを出すまでの計算回数が多いほど計算間違いが発生しやすいことになります。従って、逆数や分数の計算、πなど定数の掛け算は回数を減らすことを考えます。
小学生の合格者もいるようですが、高等数学の知識も若干必要で、自乗、平方根、複素数や三角関数、対数の基本的知識がないと解き難い問題も散見されます。
今回、高等数学関係の知識は中学・高校等で修得済みとし、単純な計算間違いを防ぐ方法だけに絞って具体的な事例で以下若干説明します。
(2) 例えば、今年8月期の試験問題の(A-3)番の場合です。(この問題は、上記Webサイト或いは、日本無線協会のWebに掲載してあります。)
交流100Vの電源に20Ωの抵抗とリアクタンス100Ωのコイル、リアクタンス25Ωのコンデンサーが全部並列に接続されている時、電源から流れる交流電流を計算で求める問題です。
この時、最初に抵抗とコイルとコンデサーの並列の合成インピーダンス計算をして、電源電圧を合成インピーダンスで割って答えを出す方法もありますが、計算量が増え、途中で計算間違いが発生し易くなります。
しかし、100Vを20Ωで割れば、抵抗を流れる電流が計算出来ます。同様に、100Vをコイルのリアクタンスで割れば、コイルを流れる電流が求まり、同様にコンデンサーを流れる電流も簡単に計算出来ます。
後は、抵抗・コイル・コンデンサーに流れる各電流の合計を求めるだけです。これなら計算は簡単になり、計算間違いはほとんど無くなるはずです。
(3) もう一つ直流の電流計算問題をやって見ます。今年4月期の試験問題の(A-3)番の場合です。
5本の抵抗から出来た、ブリッジ回路に流れる直流電流を計算で求めます。
この場合、真ん中にある15Ωの抵抗には、電流が流れないことは、ご存知の方が多いと思います。この15Ωの抵抗を回路から取り除いて考えます。
残るは5Ωと10Ωの直列グループと10Ωと20Ωの直列グループの二つを並列にして直流24V電源に接続された回路になります。
この場合も、先に二つのグループの並列合成抵抗を計算してから、電源電圧を合成抵抗で割って電流を求めることが出来ます。しかし、先に個別の直列グループ毎に流れる電流を計算して、両グループに流れる電流の合計を求める方がはるかに簡単です。
なお、問題に電源電圧が示されていない回路の場合でも、電源電圧をある値に想定して計算すると、答えが出るまでの計算が楽になる場合があります。
(4) 少し古くなりますが、平成20年10月期の試験問題(A-3)はLCR直列共振回路のCが900pFで共振周波数2,345kHzであった場合、Cを変更して共振周波数を7,035kHzにしたい時、Cの値を計算するものです。
この場合、900pFと2,345kHzから、Lの値を計算して、このLの値で共振周波数が7,035kHzになるCを計算すれば、答えは出せますが、この計算は結構面倒です。
このような場合は、Lの値の計算をせず、発振周波数の比率が静電容量の比率とどのように関係するかを考えます。発振周波数はルートC分の1に比例していますので、発振周波数を3倍にするには、Cを9分の1にすればOKです。
(5) 問題に公式が書いてあっても、その公式を使わない方が簡単に計算出来る場合があります。例えば今年8月期の(A-23)の受信点における電界強度を計算する問題がその一例です。問題に書かれた公式だけでは無く、別にEoを計算する公式を組み合わせないと答えは出せない上、式にはπなどが含まれます。
上記(2)の参考書の415頁には、二つの公式を統合したそのまま使える計算式が示されています。経験的に最初からこの統合した計算式で計算する方がずっと楽です。
なお、万一著作権等の問題があるといけないので、申し訳ありませんが、この場に式の記載は見合わせます。
(6)計算式が分数になって、かつ分母と分子がそれぞれ掛け算の形になって いる場合、掛け算をする前に約分できないか十分点検をして、約分が可能な場合、必ず先に約分を済ませておくようにします。
【5】むすび
力ずくで解こうとすると、筆算に不慣れな中高年はつい、つまずき易くなります。解き方は複数ある場合もあるので、なるべくスマートな方法を選ぶのが大切です。
なお、試験の時間は余裕を大きく見てあるので、時間不足になる心配はなく、落ち着いて時間を掛けて計算し、検算するようにします。小生も見直しで意外にも勘違いしていたミスを2箇所も発見しました。
小生のレベルでは、この程度でお粗末ですが、もっと簡単な解法等をご存知の方はまたご紹介戴けますと幸いです。
以 上
5回目の挑戦で1アマに JH4ATJ 福田 一雄
QCQ企画の通信教育で合格を獲得
受験の動機
2アマは10年前に1回で合格しました。私はボーイスカウトの活動をしており「ボーイスカウト田布施第一団アマチュア無線局、JH4ZPC」の代表です。我が団はラジオスカウティングをメインにした活動をしており、子供達(隊員)に無線の免許を取得する事を奨励しています。試験の前には合格を目指して勉強会を開き隊員達は努力しています。合格したとの報告を聞く度に、そうだ、、、、、。隊員が努力しているのだから私も負けないように努力しなければ、、、。
これが私の1アマ受験の動機です。4回スベリましたが、これをしていれば3回目で合格したかな?と思うことがありますので最後に書きたいと思います。
受験
受験日 平成25年4月6日
受験地 広島市
受験人数 約30名
法規
法規はモールスの問題が5問出ていてわりと点がかせぎやすいです。ただし4月期の第1問目は初めての問題でいきなりのカウンターパンチでした。後は普通どおりの問題だったと思います。
工学
目新しい問題もなく今迄に勉強した中では一番点がとれました。単純なミスはありましたが、、、、。
合格への道
今回の合格はQCQ企画さんの通信教育を受けた事が1番だと思います。一人での勉強には限界があり、模擬試験の添削時にいろいろとアドバイスが書いてあり楽しく勉強ができました。それと不合格になったら次の期と間をあけずに連続して受験する事。私は1アマなんてどうせ合格しないだろうと思い年に1回しか受験しませんでした。それと法規は覚えるしかなく、答を覚えるのではなく文章的な理解が必要です。でないと答えの穴の位置が変わるとあわてる場合があります。工学は過去問を繰り返し勉強する必要があります。それと難しい問題は2問ぐらいあってもいいと思いナゲル事にしました。他で確実にカセグ事をお勧めします。 以上
一アマ受験奮闘記(65歳3度目の挑戦)
JR0PHS 堀内 修
1、受験の動機
何時かは一アマを取得して多くのバンドでQSOしたいというのが小さい頃からの夢でしたが、なかなか実現できずにおりました。リタイヤ前職場無線クラブの忘年会に参加したとき、後輩のNさんから「受験することを公言して自分を追い詰めないとなかか踏み出せないよ」とのアドバイスを受け、酒の勢いもあってか「来期には一アマに挑戦する」と言ってしまったのが間違いのはじまりでした。N後輩はすでに一発で合格しており、後日、過去5年間分の工学・法規の問題・解答をコピーし、これを最低3回以上繰り返して勉強すれば必ず合格するよと教えてくれました。
2、1回目の受験(平成23年4月期)
後輩の教えを守り問題に取り組みますが、なかなか理解できず、特に工学の計算問題に課題がありました。昔から理数には自信があった自分でしたが、難問が多く、参考書として「第一級ハム 国家試験問題集」などを買い込み過去問題と平行に進めて行きました。一度は理解したと思っていた問題が、二度目になると解からず、時間だけが過ぎ去り、試験日まで後残すところ何日と焦りだけが先立つ日々でした。その上、3月11日には東日本大震災と福島第一原発事故で昼のワイドショーは悲惨な災害現場報道が繰り返され、その痛ましさにテレビに釘付けで、受験勉強もままならぬ日々でした。
久しぶりの受験体験でしたが、工学問題が解けません。過去問題を繰り返し勉強したつもりでしたが、結果は不合格でした。
3、2回目の受験(平成23年8月期)
2回目の8月期は、前回の反省を踏まえて、少し掘り下げて体系的に勉強しようと考えて、基本的事項はスクラップノートをつくり、要点を整理して覚えました。
過去問題で解からないところだけ要点整理して覚えました。しかし、スクラップノートにまとめることに集中して、肝心の過去問題の解答時間が取れなかったのか見事に2回目も不合格でした。
4、3回目の受験(平成23年12月期)
今度こそ不合格にはなれない。何としても合格通知をもらわないと皆の前で公言した手前必死でしたが、今期も合格できる自信もなく、不安なので少し勉強してから受験しようと思っていました。ところが、後輩のNさんから連絡があり、今期の受験申込み期限が迫っているが申込みしましたかとの電話が入りました。今回は受験をしないことを伝えると、「もうあきらめたのですか、続けて受験しないと合格しませんよ」と言われてしまい、もう一度チャレンジしょうと必死になって過去問題を解いてみました。5年間分の過去問題は、始めは工学問題など正解率30%位しか取れませんでしたが、2度目、3度目になってくると何となく解けるようになってきました。回を重ねるとこの問題は以前に出た問題だとか、だんだん解かってくるようになります。焦らずただひたすらに過去問題を解く毎日でしたが、3回目の挑戦でようやく合格通知を手にすることが出来ました。
5、参考書
・「第一級ハム 国家試験問題集」【CQ出版】―難しい問題には必ず解説があるので、解からない時は解説で学習する。しかし、この本を中心に勉強すると「同問題が複数掲載されているため、「解かったつもり」になる傾向がある。過去問題をひたすら繰り返し解くのが早道だと思う。
・ 「新・楽しくおぼえる一アマ攻略」【CQ出版】―キーワードがおぼえやすく表にしてまとめられており、それをスクラップノートに整理して覚えた。大変解答に役立ちました。
・ 「第一級ハム教室」【東京電機大学出版部】―必ず項目ごとに基礎学習で要点がまとめられているので、スクラップし覚えやすかった。
・ 解説・無線工学」・「基礎からよくわかる無線工学」【CQ出版】―問題が解けないときは、関係項目を読んで理解した。
6、まとめ
・ ひたすら過去5年間分の工学・法規の問題を繰り返し解答すること。間違ったり解からない問題は参考書で勉強する。しかし、どうしても理解できない難問(計算式が複雑・難問)は印を付けて諦める。(満点を取る必要がない。合格が目的であり無駄な時間をとらない)
・ 何時も正解で理解できている問題でも必ず解答する。(解かっていると思っても試験場では解けない場合がある。解かっているつもりをなくす
。)
・ 過去5年間分の工学・法規の問題を繰り返し勉強し、あきらめなければ、誰でも必ず合格する。(特別な知識は必要ない。)
高価な参考書を何冊も買って勉強するより、通信教育で勉強した方が早道かもしれない。しかし、わたくしとしては、後輩に背中を押され、不合格を重ね、独学で合格できた達成感と充実感は何ものにも代えがたい経験でした。
1アマ受験体験記 JH8KZW 津端公彦
1 受験の動機
私はハイパワーへの興味も経済力も持っていないため、第2級アマチュア無線技士の資格でハムライフを十分に楽しんでいました。
第1級アマチュア無線技士(以降1アマ)の資格にあこがれはあったものの、先のような状態でしたので、1アマの資格にあまり必要性を感じてはいませんでした。
そんな私でしたが、キット購入を通して親しくなったNPOラジオ少年の原OMと、開局当時からのハムライフについて話しをするうちに、かつてのあこがれでもあった1アマの受験をしてみたくなりました。1アマの国家試験が休日に行われていることや、電気通信術が免除であることなども受験を決心させてくれました。
2 受験の手続き
思い立ったが吉日。早速、インターネットで受付期間等を調べてみました。既に受付は始まっていて手続き期間の残りが1週間ほどしかありません。万が一、申請書の記載に不備が有った場合、郵送では今期の国試に間に合わなくなってしまうので、インターネット上から受験申請手続きを済ませました。
ついでにインターネット上で問題集を検索してみると、上級ハムの出版物が減ってしまっていることにびっくり!。昔(20年以上前)は上級ハム受験のための問題集等が数多く出版されていたのに、なんだかちょっと寂しくなりました。
3 受験勉強
インターネットで購入した問題集はすぐに届いたのですが、年度末を前に忙しく、国家試験対策勉強は、試験までの日数が1ヶ月を切ってからになってしまいました。
電子工学を専門に学んだことがある私は、法規の勉強から始めることにしました。
法規の問題は140ページ分だったので、1日20ページで1週間勉強することに決めました。2アマの国試を記述問題で受験していた私には、勉強がとても楽に感じられました。解答が選択肢に用意され、”書く”ことが出来なくとも”読む”=”目で見る”ことで解答できたからです。
1週間で法規140ページ分をひととおり終わらせた後、つぎの週も定着を図るため、法規だけの勉強を続けました。
この2週間での学習法ですが、正答番号に印を付けて書き込みをしながらすすめました。一般に、問題集には書き込みをすべきではない、などと言われますが、短期決戦型では記入した方が効率も定着度も良いと思います。ただし、正答番号を間違えて記入するととんでもないことになりますのでこの点は十分な注意が必要です。(後に、このことで悔しい思いをすることになりました)
勉強には勤務先での昼食時間や休憩時間もフルに活用しました。ただし、鉛筆を握って勉強するほどの時間は取れませんので、問題集を「”読む”だけ」にしました。勉強時間が短く細切れの状態なので、あまり効果が上がらないと初めは半分諦め状態でしたが、実際には「短時間であることによる集中力の持続」や、「強制的な中断の発生により反復練習を余儀なくされる」ことなどが、定着度を上げることに貢献し、振り返ると、職場での隙間時間勉強はとても効果的だったと思います。
自宅では、複数の問題に共通する内容(期間、期限などの数字など)をノートに書いてまとめる作業を行いました。特に似た表現のものや、似た内容のもの、さらに、自分にとって勘違いしやすい表現のものなどは丁寧にまとめました。ただし、自分にとって解りきっていることは一切ノートには記入しませんでした。
これらを毎日行い、法規を2週間でほぼ完成しました。
続いて無線工学の問題を分野毎ページ順にどんどん解いていきました。「電気物理」「電気回路」「半導体素子および電子管」「電子回路」「電源」の各分野の問題は、3日間ほどで完成し、「送信機」「受信機」の2分野は、ハムライフで身につけた知識や経験がとても役に立ち、苦労なく完成できました。結果、電子工学の勉強を始めてから4日目には「空中線及び給電線」「電波の伝わり方」「測定」の3分野を残すだけになっていました。
残った3分野のうち、「空中線及び給電線」「電波の伝わり方」には、新たに覚えなければならない公式があり、面倒な筆記計算も含まれていたため、問題を解くスピードが落ちてしまいました。しかし、試験までは1週間以上あると気を落ち着かせて焦らずに問題を解き続けたところ、残り3分野も2日ほどで仕上がり、結果、無線工学は1週間掛けずに完成することができました。
試験まであと1週間。どちらかというと苦手な法規を中心に、問題集の練習を繰り返しました。この時期、インターネット検索で上質な情報満載の素晴らしいWebページを発見しました。最終まとめのためにしっかりと利用させていただきました。(ありがとうございました)これからの受験を考えている皆さんにもご利用をお勧めします。(http://www.gxk.jp/elec/musen/1ama/)
さあ、一ヶ月弱で、なんとか受験の準備は整いました。
4 受験当日
いよいよ試験当日です。
試験会場のある札幌市まで、各駅停車でおよそ1時間30分。確認には丁度良い良い時間です。インナータイプのヘッドホンで音楽を聴きながら問題集を”読み”続けました。完成したと自信のあった工学の問題に公式がすぐに思い浮かばないものを見つけました。焦りましたが、簡易な手法でも解ける問題なので公式をうろ覚えのままで済ませてしまいました。(これが、後で悔しい思いをする原因になるのです、、、)1時間30分はあっという間でした。周りの雑音を音楽がかき消してくれたためにかなり集中して仕上げ確認が出来ました。
会場には受付開始の40分以上前に着きました。まだ試験会場に入れなかったので試験会場を離れ、時間まで問題集を読んで過ごしました。受付開始を少し過ぎた頃に試験会場に戻ると、すでに受験者が数名座席に座っていました。試験会場での座席は入場順に着席するかたちが取られており、受験番号で座席を指定するスタイルではありませんでした。受験者数は三十数名だったように思います。皆さん直前まで問題集や参考書を開いていました。
実は、ここで大きな失敗をしてしまいました。腕時計を忘れたため、会場の時計を利用するつもりだったのですが、試験会場入りが早かったために右壁面に取り付けられた時計よりも座席位置が前になってしまい、時計を見ることが出来なくなってしまったのです。あわてて係官に申し出ましたが、残念ながら却下されてしまいました。しかし、時間の経過をアナウンスしてくれるとのことでしたので、ちょっとだけ安心しました。
注意事項の説明が始まり、予定時間通りに法学の試験が始まりました。まず、ざっと問題全体を眺めてみます。どうやら問題集の問題とあまり違わない内容のようです。
解答の選択肢は少しずつ違う内容になっています。問題のポイントとなるキーワードに着目し、明らかに間違っているキーワードには×を記入するという方法で解答をすすめました。こうすると正答が何番なのかが一目瞭然で、見直しの時にも確認しやすくなります。少し迷う問題もありましたが落ち着いてキーワードに着目して解き続けました。ここでは、ノート作りをした勉強がとても役にたちました。
解答後、見直しを3回以上繰り返しましたが、退室可能時間からあまり時間が経つことなく退室できました。
電気通信術の試験は免除だったので、試験会場を出てすぐさま喫茶店に入り、コーヒーを飲みながら解答の確認をしました。
結果はどうやら合格点です。不正解の原因は、問題集への正答の印のつけ間違いでした。間違った答えを正答として憶えてしまっていたのです。これを発見できないままだったのです。思い込みとは恐ろしいものです。
その後、食堂へ場所を移し、食事を取りながら工学の問題を読みました。
再び試験会場に戻ってみると皆さんは既に着席し、問題集を開いて勉強をしていました。
工学の試験も予定時間通り開始されました。法規の時と同様に、ざっと問題全体を眺めてみると、こちらも問題集とあまり違わない内容でした。工学は問題を番号順に解いていきました。問題の余白に計算をするので、問題用紙がどんどん汚れていきます。ごちゃごちゃとしてしまい見直しが大変になりそうだったので、ポイントとなる数値が導かれた時点で、その数値を線で囲むことにしました。見直しでは、これがとても役に立ちました。ところで、基礎的な電気物理の問題を2問解き、電子回路の計算をしているところで退室可能時間になったのですが、この時点で退室した方がいたのには驚きました。計算量も多いのに凄い人が居る者だと感心しました。
その後、問題を順調に解き進めて見直しをすませた後、終了時間よりも早めに退室しました。しかし、退室後に解答を確認してみると、やはりミスがありました。朝の「公式うろ覚え放置」の問題と、完全な思い違い(勘違い)によるものだったのです。
4 通知到着、手続き
自宅に帰ってから、再度しっかりと自己採点をしたところ、法規119点、工学144点、でした。一応合格です。
しかし、解答用紙への記載ミスなどがあるかも知れません。ドキドキしながら通知を待ちました。
結果通知のはがきは、国試の丁度3週間後に届きました。合格通知の横には、「合格おめでとうございます」と印刷されており、昔の国試の通知では考えられないサービスぶりです。(笑)
早速インターネットで申請書類の書式をダウンロードし、北海道の総合通信局へ従免申請しましたが、驚いたことに、なんと!!1週間後に郵送で従免が手元に届きました。早い!、北海道の総合通信局の職員の方は優秀です!。(笑)
5 おわりに
1アマ合格後、私のアマチュア局は、送信出力、周波数、電波形式、いずれも全く変化していません。(笑)でも、1アマを取得した満足感・達成感は味わえています。同時に上級ハムとして恥ずかしくない行動をするべきだとの自覚が、2アマの時よりも強くなりました。
合格への近道は、地道に何度も問題集をこなす事だと思います。私は、電子工学を専門に学んだことがあるので、無線工学についての国試対策は電子工学を苦手とする方には参考にならないと思います。しかし、法規・工学どちらも、問題集のくり返し学習が一番役に立ったことに間違いはありません。
今回のこの駄文が、皆様の受験にお役に立てば幸せです。ご自身に合った、最も効率の良い学習法を見つけて、ぜひ合格通知を手に入れて下さい。
6 資料
使用した問題集 「第1級ハム アマチュア無線技士国家試験用 国家試験問題集」 野口幸雄 著 CQ出版社
使用したWebページ http://www.gxk.jp/elec/musen/1ama/
1アマ受験体験記 JA8ATG 原 恒夫
1 受験の動機
資格の進歩の無いままアマチュア無線を楽しんできましたが、「NPO法人ラジオ少年」で上級アマ国試向け講習会を開始したところ、筆者より年上の方が何人も一生懸命勉強されている姿に感激し、筆者も重い腰を上げることにしました。
2 初体験
実力を試すということで「東京ハムフェア」にも行かず、とにかく1アマを受験してみました。
受験日 平成23年 8月 28日(日) 09:30〜
会 場 札幌駅近くの道特会館
受験者 23名(欠席もいたようですが人数は不明) 電気通信術の受験者は5名?
法 規 ひねくった問題全くなしで、皆さん満点近いと思います。
通信術 今の制度最後の受信の試験ですが、免除で様子が分かりませんでした。
工 学 避雷器の問題が既出問題集ではみあたりませんので、これが新問題でしょうか。計算問題は、ほとんど定数を変えてあり、筆者は、計算できないので、鉛筆転がしで、運を天に任せました。
試験問題の訂正 法規試験が始まって15分位して電話連絡があったようで2カ所の訂正、工学は、昼休みに連絡があったようで2カ所の訂正あり。
という訳です。
3 役立つ日頃の運用からの知識
法規は、もちろん工学も日頃のアマチュア局の運用で得た知識が、すごく役立ちました。送信機、受信機、アンテナ、電波の伝搬、電波障害などは、10年もアマチュア局を運用していれば、新たに勉強する必要がないと思います。今回の受験を通して学んだことををまとめてみます。
・ 6db、13db、20dbのゲインやlog、√の整数になる(あるいは整数に近くなる)数値を暗記しておきます。−−−−中途半端な数値になる計算問題はほとんど出ません。
・ 問題を見たら答えの予測をして下さい。例えば共振回路の計算問題で、Cを小さくしたら周波数はどうなるか。−−−正答は、周波数の高いものを選べばよいのです。選択問題は、正答を予測して、2〜3個に絞り込んでから1つを選べば鉛筆を転がしても確率は、極端に上がる訳です。
・ 問題集と同じだと思わないで問題を良く見て下さい −−−− 答えの順番が違う、図面の記号の順番が違う、CRやLの定数が違うなどがあります。
・ 再点検は必要 −−−−−− 早とちりや読み違えがあります。筆者はIA(アイ アンペア)を1A(イチ アンペア)に見てしまいました。これは、i 又は小文字筆記体のアイを使って出題すべきですね。もし出題者が、受験者の「注意力」を見るために出題しているのなら無線従事者規則の出題範囲を超えている疑いがあります。
・ 練習問題は、必ず計算をして見る−−−−−四則計算程度で解ける問題が結構あります。自分の力で計算出来る問題は、必ず計算して見ることが大事です。
・ 練習問題は、正答だけしか読まない・見ない−−−−−紛らわしい答えは読まないし、間違った図も見ないようにします。正答の特徴を覚えます。
・ 練習問題は一通り目を通して、自分の不得意な分野を確認して、不得意な分野を重点的に勉強します。
・ 日頃の無線の運用中に気が付いた疑問をメモしておき、上級アマやプロの人に聞くようにします。ローカル局との飲み会でもどん欲に教えてもらう。相手が若い人であっても「聞くは一時の恥」です。
4 最後に
初めての1アマ受験で、電子の基礎で、難しい計算をこなせなくとも十分合格のチャンスはありそうです。だいたいアマチュア無線局の運用で、そんなに難しい計算をすることはありません。FCCの問題のように、無線局を運用するに際に必要な知識、電波障害への対策など実務に関する知識を試験する方が、よっぽど大事ではありませんか。
それから、筆者は66才ですが、体力は相当落ちても、記憶力は、それほど落ちていないということを実感しました。70才までに1アマ合格を目指しがんばりたいと思います。70才までに10回受験出来ることになりますが、さて、何回目に総務大臣に預けてある1アマの免許を受け取ることが出来るでしょうか。
無線工学や電子工学に対する若い人の興味関心が薄れ、アマチュア無線も衰退の一途をたどっております。NMK、JARDなど多少でも無線の振興を事業の目的に定めている団体の責任として、具体的な振興対策を実施していただきたい。特に青少年に対する受験料や受講料を安くすることを願っている者です。
8月30日、午後、知人からメールが入りました。NMKのHPに今期の問題と正解が発表されているとのこと。早速正解をプリントし、工学を採点してみました。
うーむ残念、「不合格」です。確かに合格点には達していませんが、思ったより知識を試す問題は、点を取れています。これならそんなに遠くない次期に合格点に達するかもしれません。特に勉強したわけではない日常の無線局の運用やアンテナや設備の点検修理などの知識で点が取れているのです。
不合格とはいえ短期間ですがしばらくぶりで無線工学を勉強し、「いっそう無線のおもしろさや不思議」を実感しました。
10年以上アマチュア無線を楽しんで来られた皆さん、是非上級資格にチャレンジしませんか。ご自身に多くの知識がいつのまにかついていることに驚かれることと思います。上級になる目的には、200Wや1KWと大電力で電波を出せることも魅力ですが、この節電の時代ですから、QRPでも電波に関する知識を深め、製作などに力を入れ、長い人生を自分なりのアマチュア無線を楽しんではいかがでしょう。
見えない電波を数学で予測したマックスウエル、電波の存知を証明したヘルツ、実用化に貢献したマルコニー、電離層反射を見つけたアマチュア無線家など多くの先達が活躍した無線工学は人類の偉大な文化です。そこに現在のアマチュア無線があります。こんな偉大な文化を楽しんでいるのがアマチュア無線です。やはりアマチュア無線は「趣味の王様」ですね。
後日談
・「ガス入り放電管」なるもの見たことも聞いたこともない筆者は、ネットで検索したところICOMのHPに記事がありました。雷の誘導電圧をアースする部品のようです。静電容量が小さいので、高周波回路に入れられるとのことです。北海道の吹雪の際の静電気保護にも使えそうなので、NPO法人ラジオ少年で、キット化することにしました。ICOMのHPで紹介されている電子部品屋さんにオーダーをかけましたが、需要がないので特注になるとの事でした。国試のおかげで新製品を出せそうです。
・見たことも無いと思っていた「ガス入り放電管」がジャンク箱に1000個もありました。Hi 韓国のハム仲間から分けてもらった1.2G−2Gのフイルタ付き避雷器があったのです。たぶん携帯電話の端末局用だと思います。知識のない筆者は、「なんだ、この白い物は?セラミックコンデンサーかな」と何であるかわからずアルミのケースだけを使っていました。この「白いもの」がガス入り放電管だったのです。
耐圧も20kVです。静電容量は1pF程度で、同軸回路に入れて使えそうです。
この白い部品が「ガス入り放電管」とは!!! |
・試作した同軸避雷器です 早速同軸避雷器を作って見ました。
バンドパスコイルを取り外しただけですが。 |
使用参考書
CQ出版 1・2アマ用 解説・無線工学2011、2012
CQ出版 1アマ用問題集 2011,2012
東京電機大学出版局 第1級ハム教室
2度目のチャレンジで1アマ合格 JA8ATG 原 恒夫
1 勉強方法を変える
平成23年8月期の受験で失敗しましたが、不勉強の筆者ですが日常の無線局の運営と保守の知識だけで、合格寸前まで工学の点が取れることがわかり、自信が付きました。「1アマはこわくはない!!」というのが率直な感想です。一発合格のJH8KZW 津端公彦氏の受験期を読んで気が付いたのは、氏が工学系大学を出ているのもかかわらず1ヶ月間毎日2時間も勉強されてとのことです。「そうか、文化系の私は津端氏以上の勉強時間が必要だな!」と倍の2ヶ月間1日2時間の勉強をする計画をしました。最初は、勉強をはじめて気が付くと、3時間も4時間も過ぎていました。ところが、ほほ1ヶ月が過ぎようとしているのに、電気物理を抜け出せないのです。模範解答を見ながら計算し、1問の回答を出すまでに2時間もかかっているのです。理由は簡単で、多くの皆さんのように学校で習ったことを思い出しているのではなく、筆者は習った時点で、全く理解できず落ちこぼれていたので、計算方法を学び公式に数値を入れ、答えを得るまですごい時間がかかるのです。模範解答の式の変形もどうしてこうなるのか分からないところがたくさんありました。
それで、無線従事者資格の通信教育をされているQCQ企画の宮本氏に現状を打破する方法相談をしてみました。
すると宮本氏は、「1アマはそんなに簡単にはいかないよ。効率良く勉強しないと。問題集と12月期の出題の傾向を分析したものを送るから。」と言って下さいました。
そして、いただいたのが、宮本さんが編集された、「ズバリ合格 1アマ問題集」とここ数年の単元毎の出題一覧表です。問題集は、単元毎に1〜2問程度の絞り込んで出され、回答例も記載されています。ここ6年間の出題の単元は、マトリクス表にまととめられ、最近出題されていない単元が一目でわかるようになっています。
この表で、ここ2〜3年出題されてないところだけ勉強しておけば、満点は無理でも合格は出来るのです。これで、勉強の量が1/2〜1/3になります。めっちゃくちゃに楽になりました。
シンプルな編集で解説も親切 |
開局50年目で手にした1アマ |
参考図書 ずばり合格 第1級アマチュア無線技士問題集 編集 株式会社QCQ企画
発行 一般財団法人 情報通信振興会
第一級アマチュア無線技士受験体験記
JA8BNV 櫻庭 雅人
1 受験の動機
私は、アマチュア無線局を開局してから間もなく50年になります。還暦も早くも過ぎ去り年金生活者となりました。幸か不幸か戦後のベビー・ブームの時代の真っ只中の年代で、高校受験、大学受験、更に就職試験も今日では考えられない過酷な競争率の時代でした。この調子で行くと墓場も場所がなく争って場所取りの状態になるかもしれませんが、これだけは静かに逝きたいものです。娘も東京で就職、息子も大学に編入することが決定し一応子供達がそれぞれに今後一定の道を歩み始めた時の2012年12月の中頃、原さん主催のNPO法人ラジオ少年のホーム・ページを久しぶりにアクセスしたところ「原さんの国家試験受検体験記」が目にとまりました、原さんには何時も様々な面で色々迷惑をかけていますが、久しぶりに電話で体験のノウハウを手短にお聞きし、私も挑戦しょうと考えましたが折悪しく年末年始の時期、退職したと云えども若干忙しくなり満足な学習時間も確保出来ませんでした。しかし、なんとか14MHzの国際バンド運用を開局50周年に間に合わせたいと思い学習を始めたのが受験の動機でした。
2 初受験
最初の一級受験は、2012年4月期の試験でしたが準備時間が僅か賞味2ヶ月しか取れなかったこともあり、工学の方は及第点を取っていましたが、法規の方が予想に反しうまく行かず不覚にも不合格でした。我ながら残念・・・気を取り直して8月期を目標に学習計画を再構築しましたが、何と道は平坦ではなかったのです。「神」は、その下僕に試練を与えた様です。5月1日に体調を崩し悪夢のゴールデン・ウィークが始まってしまいました。 丸々1カ月間寝たり起きたり病院通いの状態でほとんど受験勉強が出来ない状態が続きました。今回もダメかと思いましたが、健康状態も徐々に回復方向に向かいましたので再度奮起して6月から挑戦し始めました。 6月、7月そして8月半ばまでの2ヵ月半程で本番に望まなければなりませんでした。現役時代、他人の試験結果の判定をするのが仕事の様なモノでしたが、自分自身の国家試験等の受験は、何十年ぶりですので短い期間の受験勉強は、夜中の1時、2時までになる事が有り体力的に若い方にかなわないとつくづく感じた次第です(年寄りには、無理は禁物です!)。
3 受験会場の状況
受験会場は、札幌市中央区北2条西2-26 道特会館でした。2012年4月期の受検者は、約35人で8月期の受検者は、約30人でした。どの期も欠席者は、10人程の様です。
4 私から提言
新国家試験制度での一級は、法規及び工学共に150点満点で合格点は、共に105点以上で、百分率に換算して70%です。新制度では、電気通信技術の技能試験(CW)が廃止されましたが、その分法規、工学の試験内容がハイ・レベルに成った様に感じます。しかし、合格には、満点の必要がないと言うことを政府が承認していますので、このことに徹すれば気持ちが安らぎ余裕が出来ます。何事にも合格するには、この余裕が最も必要なことです。満点を取っても一等賞金5億円は、当たらないし発射する電波には、満点の色ですとかこの信号は70%合格すれすれの電波の色です等々と言う色は着かないのですから、合格する最低の点数を確保する様な受験勉強で良いのです。大切なのは、焦らない余裕です。
5 受験準備に使用した参考書類
受験準備の参考書は、常に最新の物を用意しましょう。以下に私が使用した物を記載しておきます。尚、価格は、2012年6月1日現在のものです。
@ 書籍の名称及び著: 第1級・第2級アマチユア無線技士国家試験用 解説・無線工学 (2012/2013)
出版社及び価格 : CQ出版社 野口 幸雄 著 2,800円(税別)
A 書籍の名称及び著: アマチユア無線技士国家試験用 第1級ハム 国家試験問題集 2012/2013年度版
出版社及び価格 : CQ出版社 野口 幸雄 著 2,400円(税別)
B 書籍の名称及び著: 第1級・第2級アマチユア無線技士国家試験準拠 基礎からよくわかる無線工学
出版社及び価格 : JH1VIY 吉川 忠久 著 2,000円(税別)
C 無線協会ホーム・ページの過去問題資料等です。
6 最後に
これで全て制限の無い環境が出来ました、KW級の信号は、いつでも発射可能ですが、電気料金が高くなっているのに電力会社を儲けさせる必要は更々ありません(当方、僅かな年金生活者でから)。一般にKW級の信号でのDX通信が可能なのは当然のことで何も珍しいことではないし自慢にはなりません。しかし、ミニ・パワーの僅か10Wか5Wの豆電球しか灯せない電力、所謂「省電力モードDX」これが開局以来の当局基本精神ですが、現実には、これがなかなか難しい事です。14MHzの国際バンドですがこのバンドでの運用が当局の希望でした。2級でも可能ですが、どうせ苦労して受験勉強をするからには、無線従事者免許証取得者の中で最も資格取得者の少ない第一級アマチュア無線技士(資格取得者数が僅か0.7%程と言われていますが)としました。この年齢ですから最上位クラスの方がむしろ安心して「神の下」に行けますので・・・、老体に鞭打ったカイもあり、「合格」の二文字が家内や子供達に対しても父親の権威を取り戻せた次第です。
今後、上級に挑戦する方々の奮起を遠く東の地から祈念しています。 73& 88
半世紀ぶりの試験 (匿名 60代,2016年8月受験)
ひょんなことで犬を飼うことになり,広い庭で走らさねばと思い始めてカミさんとあちこち探しまわった末,小高い峠の住宅地の古家を手に入れることになった.犬のための庭ではあるが,やはりそれだけでは惜しい.結構標高がある東西に開けた地形なので2mや70cmは楽に飛んでいくに違いない.それなら,と無線のことを考えた.
50年ほど前,電話級を取りそのまま開局したのが中学二年のとき.無線は数年やったものの他事が忙しくなりしばらく事実上のQRT.20代の終わりにリグを新しくして再度オンエアするもののやはり数年でQRT.それでも律儀に局免だけは5年毎に更新して同じコールサインを維持していた.昔のラグチュー仲間たちも結婚し賀状のやりとりは続いているが,声はもう二十年以上聞いていない.
うわさには聞いていたがあらためて調べてみると,4級となった電話級は50MHz以上では20Wまで出せるらしい.昔の二倍である.3級となった電信級は電話も込みで50W,周波数制限を除けば移動局なら1アマと同じではないか.電波行政のなんという気前の良さ,それなら3級を取るのが得策ではないか,と思い3アマの問題集を取り寄せて一通り解いてみた.
ぶっつけの試し打ちだったが無線工学はまあまあ合格点は取れそうである.法規はもはや記憶の彼方なのであたらめて覚えなおさないといけないが,まあそんなに大変というわけでもなさそうである.そこで一番近い試験日を探したが思ったよりも先である.関西アマチュア無線フェスティバルというのがあってそこでも受験できるらしいが申し込みは受験当日ということなので急ぐこともない.そんなときたまたまネットで1アマの問題を見た.これもたまたまだったろうが,3アマの問題とたいして変わらない,ように見えた.それなら3アマの勉強をするよりも1アマの勉強をする方が効率的に違いない,なにしろ通信術の試験はないのだから,と考え,初心を忘れて1アマを受験することにした.これが5月頃のこと.直近の1アマ試験は8月である.
かなり以前のことだが,上級試験というのに少し興味があり「上級ハムになる本」(大塚政量著,改訂第三版,CQ出版社,1998)という本を買ったことがあった.初版は1960年代というから,1アマや2アマが雲上の世界の人たちだったころである.真空管とトランジスターが並立して説明されていた.少し読もうとはしてみたが拾い読みに終わり,さすがに上級は難しいという印象だけが残った.いまから見れば,この本だけを読んでいても分かるとは思えないところもあるので,昔の印象は行き過ぎである.あらためて読み直してみると,全体が適度なレベルで書いてあり本全体の統一感もある.これだけの内容をこの本だけで説明しつくそうとすれば倍以上のページ数が必要となるに違いない.このレベルでこの厚さにまとめた著者の力量はたいしたものである.著者は存命ならかなりの御高齢であられる.今は別の著者による「新版・上級ハムになる本」が出ているようであるが,せっかくこの本が手元にあるのでこのまま使うことにした.疑問があったときのお助け本である.問題集はネットでの評判が良かったので「第一級アマチュア無線技士試験問題集 (合格精選400題)」(吉川忠久著,東京電機大出版局,2012),緑色の本である.
試験勉強も受験生の気持ちになるのも何十年かぶりである.プレッシャーはあるがスリルのあるゲームのようで面白いといえば面白い.ネットの模擬問題を試すとその場で合格/不合格の判定が出る.こんな即決の判定が出るものは長い間経験していなかったような気がして新鮮である.学校で無線工学を勉強したことはないが,物理は勉強したので電磁気学ならなんとなく覚えている.そのせいか工学の問題は雰囲気がなんとなく分かる感じがする.基礎を知っていることは大切と他人にはよく言ってきたが我が身で実感するとは思わなかった.満点は難しいがそこそこは点がとれそうで,どうせ覚えられないのだから新出問題かどうかなど気にしない分,気楽である.ただしうろ覚えの電磁気学が頼りなので困ったことも起こった.フレミングの左手と右手の法則.電流や磁場や力や速度の関係は覚えていてもその法則の名前が分からない.覚えようとするが左と右をよく間違えた.
法規はやはり覚えなくてはどうしようもない.法律を勉強した人には自然なのかもしれないが,法律の言葉使いにはなじめない. 理屈として正しいかどうかではなく,法律の条文にどう書いてあるかが問われているようである.よく分からない問題について,もとの法律を読めば分かるのではと期待して条文を読んでみたが,同じことが書いてあるだけ,ということが何回もあった.若いころもそうだったが今はなおさら丸暗記は苦手なので,なんとか理屈をつけて法律を覚えようとするが,うまく行かない.法規を理解して覚えることは私には無理のようである.法学を勉強した人には可能なのだろうか.司法試験に合格する人はとても常人とは思えない.
5月頃から始めた試験勉強,少し真面目にやったのは最初しばらくだけである.問題集を2度ほど通してやり,間違いは多いがなんとか70点くらいはあるかも,という状態だった.6月に入ると試験勉強に飽きが来て休業状態,仕事が忙しかったこともあり7月もほぼ何もしないまま.8月に入り試験まで二週間となってから,さすがにこれでは受験料がもったいないと思い,再度問題集を見返した.それまでは何も書き込まなかったのを,盛大に赤を書き込んでよく間違う問題を洗い出す.試験前日は洗い出した問題の総復習.最後の数日は受験準備らしく勉強したような気がする.
お助け本の「上級ハムになる本」はかなり役立った.問題集だけでは今一つ納得までいかないということがたびたびあり,そんなときに使う.電波伝搬や測定などちょっと地味な分野での疑問には特に役立った.新版を本屋で立ち読みしてみたが整理されすぎていて,旧版の方が読み手の自然な疑問に沿って書いてあるように感じる.私の世代に合った書き方ということかもしれないが.
試験は日曜日の大阪.電車で一時間ほどかけて試験会場へ行く.専門学校の教室が会場である.私と同年代の髪の白い人ばかりで若い人は少ない.昔,アメリカでは年寄りが大きなシャックと巨大なアンテナを使ってアマチュア無線をやっていると聞き,日本との大きな違いを感じたが,いまや彼我の差は急速に縮まってきたように見える.もともとアマチュア無線は,電気好きの若者の遊びであり,生活に余裕のある年寄りの趣味でもあるのだろう.ただアメリカと違って日本の場合はアマチュア無線を始める中高生が極端に少なくなっているらしく,学校のクラブ局は軒並み閉局状態のようである.私の通っていた高校もクラブ局があったのだが今はロボットコンテストのクラブになっている.無線とロボットだと,無線機がチップ化でアナログ的な工夫が難しくなってしまったのに対し,動く部分を持つロボットの方が創意工夫の余地が大きいように思われるので,ロボットに入れ込む高校生の気持ちも分かる気がする.最近のCQ誌をみると若い人を無線に勧誘するためかファンシーな行事が多く開催者の苦労を想像してしまう.しかし,聞いた話では今でもラジオ制作の教室を開くと結構な人気であるらしい.いくら高性能の電子機器があふれていても,自作のラジオが鳴った感動は今でも生きているようである.何がアメリカと日本の差を生んでいるのか.
試験会場は広めの教室であるが試験以外の時も誰も私語をしない.年寄りは中高生のように連れ立って受験に来るということがないということか.何十人もいるのに静かに黙ったままの時間が過ぎる.試験は午前9時半から法規2時間半.1時間経ったところで退出が許される.問題は30問,一問当たり5点の150点満点.面食らったのは最初の問題が「無線局」の定義だったこと.無線局が「総務大臣の免許を受けたもの」に限るかどうか,ということが分からず考え込んでしまった.既出問題なのかもしれないが私は初めて.総務大臣の免許があるものだけを無線局とよぶなら,アンカバ局を違法無線局とよぶのはおかしい,とか,免許不要の無線局はどういう扱いになるのか,とか,いろいろ考えて時間が経つ.最初は総務大臣の免許が必要かと思ったが,やはりアンカバ局を法律的に簡潔によぶためには「無線局」の定義に免許は必要ないとする方が良い,と思って答えを選んだ.後で調べると,理由が合ってるかどうかはわからないが,これは正解.
分からなかったのは7問目,法律に適合しない安全設備はどれかという問題.危険な機器は「金属遮蔽体の内に収容」とあるものと,空中線などを2.5mより上にしなくてもよいのは「移動局であって,その移動体の構造上困難であり,かつ,無線従事者以外の物が出入しない場所にある場合」とあるもののどちらか.ちゃんと覚えていればすぐに分かるのだが私には謎.最初は「金属遮蔽体」に限らなくても良いのではと至極まっとうに考えた.しかし見直しているうちに,「その移動体の構造上困難であり」という部分が日本語として意味が取りにくいことが気になり,これは無理に問題を作ったために変な日本語になったのでは,と考え始めてしまいこれを選んでしまった.これが間違い.法律はまっとうな日本語で書いてあるはず,と信じていたのである.ところが後で電波法施行規則の条文を見たところ,この通りの文が載っていて驚いた.この文を変に感じるのは私が法律に無知なせいかと思い,法律で食っている身内に聞いたところ,やはりこの文は変だという.なんでも法律には内閣法制局を通るものと通らないものがあって通らないものにはひどいものがあるという解説.私は全く無知なのでその解説をただ聞くだけであるが妙に納得した.
もう一つ分からなかったのは13問目,虚偽通信の罰則.「3年以下の懲役又は150万円以下の罰金」か「5年以下の懲役又は250万円以下の罰金」のどちらかが分からない.いろいろ考えたけれどそもそも考える根拠が薄弱でどうしようもない.最後はヤマカンで「5年以下」を選んだがこれが間違い,「3年以下」が正解だった.あとは1点の問題を二つ間違って,自己採点では法規138点.私にしては上出来だったと思う.
法規の試験は1時間経ったところで退出する人が続出.退出しても仕方がないような気がしたのでじっとしていたが,法規の問題は時間をかけて考えると分かるというものでもないので,結局1時間半経ったところで退出した.
昼は近くのコンビニで買ったパンとミルク.弁当を持ってきている人も多い.試験場のそばに控えのための教室が用意されていたが,そこは午後の試験準備をする人で一杯だった.
午後は工学の試験.1問目に苦手のフレミングの法則が出たが,幸いレンツの法則との抱き合わせだったので左右を迷わずにすんだ.11問目にSSBの移相変調の問題.知らなかったがいろいろ考えてπ/2だろうと思い正解.12問目の微分回路も詳しくは知らなかったので式で解いた.後でネットを見ると,今回は新出問題が無く易しいという発言があった.あまり複雑な計算も無く難しい印象を受けなかったのでそうかもしれない.後の自己採点では150点,これは出来すぎ.
工学の試験も1時間で退出した人が続出したが,計算やマークシートの確認で結構時間がかかり,急いで退出するメリットを感じなかったので2時間まで粘って退出した.その頃は残っている人もまばらだった.法規も工学も試験時間は十分過ぎるほどある.
試験結果のweb発表は予定通りに行われた.自己採点の結果からまあ大丈夫だろうとは思ったが試験は試験なので結果をみるまでは不安である.合格者名簿に受験番号が掲載された翌日に合格通知が届いた.合格通知には「合格おめでとうございます」という印刷がある.うろ覚えだが,半世紀ほど昔に受け取った電話級の合格通知は返信用のはがきにハンコが押されていたような気がする.いずれにせよこんな愛想の良いことが書いてなかったことは確実で,今のお役所のカスタマーサービスの一端に触れたような気がした.
振り返ってみて,試験勉強に使った「第一級アマチュア無線技士試験問題集 (合格精選400題)」(吉川忠久著,東京電機大出版局,2012)は,合格のためにほぼ必要十分なことが載っていて良い本だったと思う.試験直前の数日に集中的に解くのが効果的だった.ほかに旧版の「上級ハムになる本」も読んで私には良かったけれど,これにはほかの選択もあるかもしれない.
平成29年4月期 第1級アマチュア無線技士試験を受験して
「復活に向けて50半ばのオヤジ、頑張る」
JA8RQD(旧コールサイン:再割り当て申請予定です)
はじめに
小生が当時憧れだったアマチュア無線の世界に入ったのは小学校6年のとき、親に「一生懸命勉強するから」と約束して買ってもらったRJX601で6mバンドを楽しんでいました。高校生になり電信級(現在の第3級)の免許はとったものの、当時流行っていたフォークギターに嵌まってしまい、無線の世界からは少しずつ離れていってしまいました。
気がつけば約40年、50歳も半ば過ぎという頃に、たまたま本屋で「カムバック・ハム」の特集記事の載った雑誌に目が止まりました。それをキッカケにもう一度アマチュア無線の世界に戻ってみようと思ったのです。折角復活するなら、上級の資格を取って、いろいろなことにチャレンジしたいと考えました。そこで、インターネットで調べてみると、勉強するなら最初から1アマ狙いで行ったほうが効率的だということが分かりました。試験はほとんど過去問あるいは過去問の類似から出されるので、過去問を中心にしっかり勉強すれば合格点は取れると確信したのです。
勉強開始
思い立ったが吉日、正月早々から勉強開始です。まずは「上級ハムになる本」「第1級ハム国家試験問題集」(いずれもCQ出版社)を購入。あとはdBの計算で必要なlogの計算や、臨界周波数とMUF(最高使用周波数)の計算で出てくる三角関数を忘れてしまっていたので、以前何かの折りに購入していた「忘れてしまった高校の数学を復習する本」(中経出版)も併せて使いました。後述しますが問題集だけでは過去問全てを網羅できないのと、解説が不十分なところもあるので、いくつかのサイトを参考にしました。2月に入って、何とか勉強も間に合いそうな手応えを感じましたので日本無線協会のサイトから4月期の試験の申込をしました。受験申込はインターネットで出来るのですがOSがWindows以外は受け付けてくれず、Macユーザーの小生は仕方なく職場のPCを借りて申込です。暇を見つけて郵便局に行き、受験料を振り込みました。あとは受験票が届くのを待つだけです。
過去問(問題集)を解きながら分からないところは教科書(上級ハムになる本)で調べる、を原則に勉強を開始しましたが、最初の壁は交流回路でした。コンデンサとコイルのインダクタンスの概念を理解するのに「ハムになる本」だけではすっきりと理解できません。いろいろとインターネットで調べたところ次の2つのサイトにたどり着きました。
「無線工学を基礎から学ぶ 第1級アマチュア無線技士」
http://www.gxk.jp/elec/musen/1ama/
出題分野を整理分類し、詳しくかつ分かりやすい解説が秀逸。小生はこのサイトのおかげで全ての範囲で理解が深まりました。過去問は平成11年からあり、これを全てこなせば試験で確実に9割は取れると思います。
「皆空の中で…」
このサイトは計算問題の解き方のコツを丁寧に教えてくれます。無線工学で一番厄介なのは計算問題だと思いますので、ここで計算に慣れることができれば本番でも怖い物なしでしょう。事実、小生も計算問題なら確実に正解を導けるという自信を持つことができました。
個人的に1アマの試験で重要なポイントと思われるところを列挙してみたいと思います。
@ 交流回路:コンデンサとコイルで電圧に対して電流が「進む・遅れる」の概念。この概念を複素数で表記し、計算すること。回路の容量性・誘導性の考え方。
交流の最大値・実効値・平均値の概念と計算法。ここが理解できないと整流回路やアンテナの電流・電圧の計算問題、計測器(電圧・電流計)に関する問題が解けない。
B 電圧・電流・電力増幅度の考え方とdB算出のための常用対数の計算法。
C その他:アンテナのインピーダンスと実効長、帰還のある場合の増幅度、AMの変調度と変調波の出力、送信点から離れた点での受信機入力電圧、SWRの算出など頻出の公式を暗記。
問題集は一度だけでなく何回も繰り返して解きます。1回目には簡単にできたような問題でも実は偶然で、2回目には間違えたり解法が浮かんでこない場合があります。繰り返すことで問題パターンを体に染みこませ「頭で考えずに手が勝手に動き出す」ようになれば安心です(笑)。小生は結局3ヶ月かけて無線工学は問題集を3周しました。それから実践形式で過去問をインターネットのサイトからダウンロードしてA4の紙に印刷(注:実際の試験問題はB4サイズですが自宅のプリンタはA4サイズなので)し、試験を想定して解いていきます。問題集では同じ項目の問題が並んでいるので、何問か解くうちに問題慣れして何となく答えや解法が分かってしまうので、(項目がバラバラに並ぶ)実際の試験問題を解くことも非常に重要です。3周したあとでは過去問のほぼ9割以上は正解できましたので、このやり方は有効な方法だと思います(1アマの試験はほとんどプール問題)。法規は暗記が中心なので、勉強を始めたのは1ヶ月前からでした。その頃には無線工学も2周目の終わりに近く、無線工学の勉強にかける労力もかなり少なくて済むようになっていたので、余裕をもって暗記に時間をかけることができました。暗記に重要なのは記憶力ではなく繰り返し回数です。ここも問題集3周を目指しましょう。また、実際に問題を解いてみると分かりますが、ちょっとした引っかけ問題も多く出ます。問題文を落ち着いて読むように訓練しておきましょう。
あっと言う間に4月となり、試験当日を迎えました。予め送付された受験票に顔写真を貼って、忘れずに持って行きます。鉛筆と消しゴムも必要です。消しゴムは古いものだと消し跡が汚くなるので、ケチらないで新品のプラスチック消しゴムを用意しましょう。あとは試験会場には早めに到着して落ち着いて試験に臨めるようにしましょう。まずは9:30から法規の試験です。9:20くらいから注意事項などの説明が始まり、まず解答用紙が配られます。その後試験官の指示に従って氏名を漢字で記入、試験番号と生年月日をマークします。その間に問題が配付されますが、開始前に試験問題のページが全部揃っているか確認させられます。で、いよいよ試験開始。法規は覚えているかどうかだけで決まります。考えても混乱するだけなので、どう考えても迷うときは最初の答えを優先するなど自分なりのルールを決めておくと良いと思います。さてさて、今回も引っかけが出ました。試験問題を作る教官も、結構意地悪なんですね(笑)。
<問題文は日本無線協会のサイトをご覧下さい>
http://www.nichimu.or.jp/kshiken/siken.html
平成29年4月期第1級アマチュア無線技士国家試験
A-5:「26.175MHzを超える周波数の電波を利用する送信設備以外のものには電波法第31条に規定する周波数測定装置を備え付けなければならない」などという選択肢がありました。うっかり×を付けたくなりますよね。過去問でも見たことがない2が適合せず、正解です。
B-3:最初の空欄2つ(ア・イ)は、新出だと思います。ここは勘で、最初にひらめいた1-3で解答しましたが、正解でした。
法規はほとんどがプール問題でしたので、時間に余裕があり早めに退出することができました。もちろん、しっかりと見直しして、マークシートの点検もしました。さて、小生が受験したのは札幌の道特会館という所ですが、ここには5階の試験会場の他に6階に控え室も用意されていて法規の試験を早めに退出したあとで勉強をしたり、食事をしたりすることができました。食事・勉強のため予め近くの喫茶店を調べておいたのですが無駄になりました。近くのコンビニで弁当・お茶・缶コーヒー・おやつを購入して控え室で早めの昼食をとり、缶コーヒーとおやつを午後の無線工学の試験に備えた勉強のお供としました。
午後は無線工学です。平成29年4月期の無線工学はいくつか見慣れない問題もありました。少し焦りましたが、見慣れたプール問題も多く、落ち着きを取り戻して試験に臨みます。
A-2:ビオ・サバールの法則に角度θが入って(IΔl/4πr^2) ×sinθで算出します。sin45°=1/√2であることは高校の数学を復習する本で学習済みで、2を選んで正解でした。
A5:LR回路の過渡現象の問題。CR回路の問題(電圧を求める)は既出でしたが・・・この式を暗記しているならともかく、コイルの電圧降下=Ldi/dtから微積分で求めるならば一陸技レベルの問題です(正解2:小生は不正解でした)。
A-6:これは新出問題だと思います。与えられたダイオードの電圧電流特性のグラフをもとに、2個直列にした場合のグラフを選びます。2個直列ということはそれぞれのダイオードにかかる電圧は全体の1/2になることが理解できれば3を選んで正解です。
A-15:スーパーヘテロダインのIFについての問題です。(3)は頻出ですね。あとは(2)尖鋭度Q、帯域幅B、中間周波数f0の間にQ=f0/Bが成立することを知っていれば簡単ですが、仮に知らなくても昔作ったAMラジオを思い浮かべて、f0=455KHz、AM(A3E)の占有帯域幅が6KHzとするとB=10KHzくらい(高選択度すぎ?)と仮定、Qが一般的に10?100のオーダーであることからQ=f0/Bが正しいことが分かります(こういう時に電子工作の経験が役に立つ!)。この式が導ければ(1)の解答も得られます。正解は1でした。
A-18:垂直ループアンテナの問題。過去問のサイト(上述)で一度勉強していたので、4以外の選択肢が正しいことが分かり何となく正解が導けましたが・・・正しくは実効高h=2πnS/λ(n:巻き数、S:ループの面積、λ:波長)なので「巻数の二乗」が間違い。
A-20:臨界周波数とMUFの問題だが、求める値が「跳躍距離」と新傾向。与えられた式からsecθ=15/9=5/3であり、AB=500kmが分かる。あとは三平方の定理でBH=400kmが算出できるので、BC=2BH=2×400=800km。
A-24:内部抵抗が分かっている電圧計で電圧を測定したときの誤差を求める。これも新出でしょう。真の値は電圧計が接続されない状態でありV2=20(V) であることはオームの法則から求められる。一方で内部抵抗900kΩとするとR2=100kΩとの並列になるので合成抵抗は90kΩとなり、同様にオームの法則でV2=90×60/(90+200)=18.62(V)となる。従って誤差は20-18.62≒1.4(V) が正解。
無線工学は計算問題のやり直しを含めて見直しをして、マークシートをチェックしてこちらも早めに退出しました。試験が終わった後の、何となく心地よい充実感・・・味わったのは何年ぶりでしょう。家にまっすぐ帰るには少し早いかなと、帰り道の途中にある本屋に立ち寄って「一陸技」の過去問を購入、近くのカフェでビールを飲みながらパラパラとめくってみました。やはり1アマとは違いますね。簡単には解けそうもありません。この1アマ試験の勉強を忘れないうちに半年くらい準備して、来年1月の試験でも受けてみようかなと思う次第です。
最後に
試験の数日後に日本無線協会のサイトに掲載された解答で自己採点したところ、法規150点、無線工学145点と自分でも驚くほどの点数でしたが、4月末に届いたハガキに「合格」の文字を確認してやっと安心できました。今回の試験準備を通して一番重要だと思ったのは「毎日少しずつでも勉強する」です。3ヶ月間、継続して勉強さえできれば難しい試験ではないと思います。小生は仕事の都合などで勉強ができない日もありましたが、その分は休日で挽回して1日平均1時間は勉強することを目標に頑張りました。通勤時間を利用しての勉強も良いと思いますが、計算問題はやはり実際に紙に書いて計算をしなくては身につかないと思います。机に向かう時間もしっかり確保して下さい。継続は力なりです。皆さんも頑張って下さい。
親父バンド経験を活かして無線工学を理解算問題を得意分野にする為の数学的工夫
二アマ・一アマ合格体験記 / JA8WSF
1. 少年時代に初級ハム取得
1961年生まれの男でハンドルをJunと申します。平成29年4月期の二アマ、同年8月期の一アマの国家試験に合格しました。この度の合格に至る経緯を御紹介させて頂きます。
1970年代、小学生の時にラジオの製作で電子工作に目覚めました。中学時代、電話級と電信級を取得し、JA8WSFのコールサインにて開局しました。その後の、ごく短い期間、50MHz帯で運用したものの、やがて興味の対象が無線から音楽にシフトし、開局から1年後の高校進学と相前後して完全にQRTしてしまいました。
2. 後に役立った「親父バンド」時代の経験
2000年代、40代となった小生は、「親父バンド」ブームに乗る形でバンド活動に没頭し始めました。併せて音楽用機材の自作にも夢中なり、感光基板の作成法を習得しました。更には、そうした製作経験を通して、インピーダンスの不整合や信号の伝導ロスといった障壁にしばしばぶつかり、悩まされると同時に、それら諸問題に対する理解を深めて行きました。
こうした経験が、後に無線工学理解の一助となりました。例えば、ハム国試でしばしば出題されるエミッタ・フォロワ型アンプは、音楽活動時代の経験に照らし合わせると理解が容易です。
3. 上級ハム取得を意識
2010年代、50代半ばを迎えた小生、どういう訳か、少年時代のハム体験が強烈にフラッシュバックする様になりました。
そして、2016年秋頃よりハムの世界へのカムバックを真剣に考え始め、更には「どうせなら上級資格を取りたい」と決意し、QCQ企画の通信講座を利用して2017年(平成29年)4月期の二アマ国試合格を目標に受験勉強に着手したのです。
二アマの受験勉強に際し、無線工学に関しては、前述の音楽活動時代の経験を活かしました。更に計算問題対策として、より平易な解法を実現すべく、
・インピーダンスは、三平方の定理ではなく、複素数で考える。
・dBは対数関数であるが、その逆関数である指数関数に持ち込む。
・難しい公式は「とりあえず両辺の次元さえ合えば良い」とのシンプルな考えで導出する。
といった工夫を施し、これらの「数学的工夫」により計算問題を得意技にする事が出来ました。
5. 使用した教材
教材については、あれこれと手を広げず、以下に絞りました。
・QCQ企画通信講座の問題集と模擬試験
・日本無線協会のサイトからダウンロードした過去問(直近4回分)
・「無線従事者試験のための数学基礎」(加藤昌弘先生)
・「第1級・第2級アマチュア無線技士国家試験用 解説・無線工学 2016/2017」(野口幸雄先生)
問題集や模擬試験、過去問は徹底的に繰返しました。一方、加藤先生と野口先生の著書は、最初から精読するのではなく、問題解法の理解を深める為の参考書として辞書的に使用しました。
4. 二アマ時代
前項に挙げた教材と、 QCQ企画の国家試験直前対策講習会(講師:大石清彦先生 JH1LZU)に助けられて、2017年(平成29年)4月期の二アマ国家試験は、無線工学:125/125(正答率:100%)、法規:148/150(正答率:99%)で合格しました。
二アマの資格で無線局免許を申請した結果、40年ぶりの再開局が実現し、旧コールJA8WSFの使用も認められました。再開局後、HFのCWをウォッチする事から運用を始め、その後間も無く、愛知県某局との7MHz帯CWでのQSOに成功しました。
又、それまで久しく休止していた電子工作を再開した事で、かつて親しんだ感光基板の作り方をおさらいし、又、自作回路が動作不良の場合に原因を検索する方法や、回路が発振した場合にそれを止める方法についてトレーニングを重ねる事が出来ました。
5. 一アマ受験
二アマ合格と相前後して一アマ取得も意識し始めました。その理由は、一アマの過去問を見ていると、無線工学も法規も、「二アマ受験の範囲プラス少々の知識で解けるのではないか?」と思えたからです。実際、二アマ受験の時点で第4項で御紹介した「数学的工夫」を確立していましたので、これをそのまま適用すれば一アマの無線工学の理解は容易でした。
早速、二アマ受験の時と同様、QCQ企画の通信講座で受験対策に着手しました。勉強法は二アマの時と殆ど同様です。過去問や模擬試験を反復し、受験2週間前にはQCQ企画の直前対策(講師:吉村和昭先生)を受講しました。
2017年8月13日、一アマ国家試験本番を迎えました。受験の手応えは極めて微妙で、合否発表までは不安でしたが、無線工学 124/150(正答率:84.7%)、法規 135/150(正答率:90%)で合格出来ました。
6. むすび
わたくしどもハムが携わるアマチュア業務とは「金銭上の利益のためでなく、もっぱら個人的な無線技術の興味によって行う」ものです。ですから、資格取得の為の受験勉強も、資格取得後の実際の業務も、楽しく面白がって行うのが本来の姿だと思います。
より平易な数式理解法を案出したり、増幅器や発信機を自作したり、そしてモールス符号に関してはアプリを使ってゲーム感覚で習得したりと、アマチュア無線は工夫次第で楽しさが倍増します。
最後に、受験に際し御世話になったQCQ企画スタッフ御一同様、直前講習で御指導頂いた諸先生型に心より感謝の意を表します。
以上、小生の拙文が、これからハム上級資格を志す方にとって何らかの御参考になれば幸いです。御精読有難う御座いました。
久々の公的資格試験への挑戦。 JI1XDV 藤田 浩明
受験時期;2015年8月,12月(二度目で合格)
使用参考書
1.やさしく学ぶ 第一級・第二級アマチュア無線技師試験(オーム社、吉村和男 著)
2.一アマ 第一級アマチュア無線技師 合格精選400題試験計算問題集(TDU 電気大出版局、吉村和男 著)
3.第一級アマチュア無線技師国家試験計算問題突破塾(TDU 電気大出版局、吉村和男 著)
4.QCQ企画 第1級/第2級アマチュア無線技士 モールス符号の覚え方 PDFファイル※ネット上では削除?
1.導 入
当方のアマチュア無線デビューは、ここにこられている皆様と比較すれば相当に遅く今から30年も前になる20代後半の時期である。
2.受験動機
そこからほぼ30年経過した頃に、高校時代から世話になっていた友人からアマチュア無線の資格に関しての電話がかかってきた。この一本の電話が、私を再び公的資格試験へ目を向けさせる事になった。
まずは自分が好きだったもの、熱中できたものに目を向けるほうがよいと判断し、現在のアマチュア無線の資格試験の内容がどのようになっているのかを調べる事から始まった。
調べて驚いたのは、今の上級アマチュア無線の資格試験においては、CWの実技が無くなっていた事で、さらに試験時期が夏ならばお盆休み中であり、これなら実家(5エリア)に帰省している際にも受験できる。盆休みを実家でゴロゴロして過ごしているくらいなら、何でもいいから自分のスキルを伸ばす努力に時間を割いたほうがよかろう。それにCWのないアマチュア無線の試験なぞ、4アマに毛が生えたようなものだ。(これがあとで酷く後悔する事になる。)と考え、さっそく参考書を購入して受験の準備に取り掛かった。
(※2015年4月着手)
3.一度目の受験(2015年8月)と失敗、問題点
2で述べたとおり、「CWのないアマ無線の上級資格なぞ、4アマに毛が生えた程度、毎日一時間、休みの日に
3時間も勉強したら、3ヶ月もあれば合格できる」。という甘い考えのもと、ネット通販でとりあえず一冊の参考書(1.やさしく学ぶ 第一級・第二級アマチュア無線技師試験)を購入し、学習を開始した。
ところが参考書1ページ目を開いて問題を読んだ瞬間に目が点になった。完全に4アマとは違う、数学が苦手
だったとはいえ、ずっと理系畑を歩んできたにもかかわらず何が書かれているのかが全く理解出来ない。
CWが無くなった。といっても実技が無くなっただけで誤字脱字当てゲーム化したとはいえ、CWの理解度を試す内容の問題は残っている。しかも人間の精神面の問題で、毎日一時間の勉強くらい出来るだろう?というのも長いこと机に向かって勉強をしていなかった自分が、15分も参考書に向かうことが出来ないくらい落ち着きが無い人間になっていた事にも驚いた。結局、15→30分、30→45分、45→1時間、1時間→1時間30分へと集中力を伸ばす訓練から始める事になった。机に向かっている時間が1時間を越えるようになると、その後の時間延長はあまり苦痛ではなくなる。以後は30分単位での延長は楽にできるようになった。
CWの方は、和文が無い事、英文字26音と数字の0〜9までの計35を覚えるだけであとは誤字脱字当てゲームだからなんとかなると判断し、風呂に入っている際に湯船のかどを人差し指で叩きながら記憶する事にした。
(参考としたもの;QCQ企画 第1級/第2級アマチュア無線技士 モールス符号の覚え方 PDFファイル、ネット上では
削除?添付資料参照)
とにかく勉強の時間中は、なんとか集中力を維持可能となったが、肝心の試験問題の理解は?と言うと、
これがさっぱりで自身の実力の無さと、資格試験自体ををあまりにも舐めすぎていた(あとで4アマ→3アマへ
変更、受験を相談された友人にも指摘される。)ことを痛感する事になる。試験直前までなんとか踏ん張って
勉強を続けたが、やはり実力不足はカバーしきれない。「あと三ヶ月時間があれば何とかなるのに」。とも
思ったが、もうあとの祭りである。なにもかもが準備不足のまま、けっきょく第一回目の一アマ受験に挑む事になる。
じつは盆休み中に帰省した際にも受験できる。というのには、試験会場が実家から徒歩でも30分程度、路面電車を
使えば15分もあれば到着するという楽な場所だった事もあり、ゆえにこの一回でなんとか決着をつけたかったのだが、
結果は火を見るよりも明らかで、見事に惨敗となった。
言い訳となるが、このときの受験失敗は、
(1).あまりにも試験を舐めていたこと。
(2).試験までの準備期間が短かったこと。
(3).購入した参考書の内容が、少し荒いものだったこと。
と、大きくこの三点を原因と考えている。
(1)に関しては、あまりにも当方が間抜けすぎる。(2)でも友人から指摘された事だが、資格試験に対する考え方や取り組む姿勢と言ったものが、根本的に間違っている。
(2)についても、時間が無いとか言い訳を云々する前に「あと三ヶ月あれば何とかなったのに」。と思うのなら、三ヶ月早く受験の準備をはじめれば良かっただけの事である。
アマチュア無線三級の資格試験に挑戦した友人(参考書を買ってきた際、四級と三級の試験内容に大差がなかったことから、三級の受験に変更し、見事合格)に指摘された事は「貴方が一アマを受けるというから、三アマ合格後、私も一アマの参考書を買ってきたが、内容を見て思った事は、この試験問題レベルで毎日一時間、3ヵ月も勉強したらまず合格するだろうとか、考え方が甘すぎる。この内容で三ヶ月で合格しようと思ったら、毎日3時間勉強しても合格できるかどうかのギリギリの線だと思う。
貴方はあまりにも資格試験というものを舐めすぎてはいないか?」と指摘されてしまった。
(3)については、参考書に書かれている問題の解説はひじょうに親切なのだが、解説にページ数を割かれているぶん掲載されている参考問題が減少し、結果、実際の試験に出題される問題に対し、参考書の内容が荒いものになっていると感じた。
ただ,この参考書をもとに勉強を始め、基盤を作ったからこそ二度目の挑戦で合格できたのも事実で、ところどころにアマチュア無線の発展の歴史に触れられた箇所もあり、読み物として面白かったという側面がある。
4.二度目の受験(2015年12月)、合格
一度目の試験が終わった段階で不合格なのは明確であったこと、使用した参考書等の問題を含め、直ちに学習を再開した。参考書については、とにかく問題を多く解きまくる事が必要な事を感じ、あらたに合格精選400題試験計算問題集を購入、計算問題の不明点については、第一級アマチュア無線技師国家試験計算問題突破塾を用いて勉強する事にした。また友人から「恐らく貴方が苦手とする問題は、このあたりではないか?」と(これが見事に私の弱点を衝いていた)A3の用紙に問題を書き出し、さらに解説まで記載して郵送して頂けた。これらをもとに学習を続け、12月の試験に臨んだ。
ここでも数学の苦手さは顔を出しており無線工学に関する限り、やはり最後まで自信を持って望む事は出来なかった。午前中の法規に関しては、ほぼ満点であろうという自信が持てたが、午後の無線工学は問題に取り掛かると8月よりはまだましといった手応えだったが、やはり合格ラインには届いていないのではないか?という不安がよぎった。
結局、無線工学はあいまいな印象と手応えしかなく、合格と不合格のぎりぎりの線を行ったり来たりしているのではないか?という煮え切らない状態のまま、試験は終了した。結局、今回も合格/不合格の判断がつかない状況であったことから、試験終了の翌日から翌年の4月の試験に向けて勉強を再開したが、月末に合格通知が届いた際には本当に肩の荷が降りたという感じであった。
5.合格に向けてのポイント、参考書等について
(1)参考図書
今回の試験において、使用する参考書は本当に良いものを選ぶ必要があることを強く感じた。
とにかく問題を解きまくり慣れるという事が重要な一アマの試験においては、合格精選400題試験計算問題集は優れたものである。
私のように数字が苦手、という人には、あわせて第一級アマチュア無線技師国家試験計算問題突破塾もお薦めの参考書となる。私はキルヒホッフの法則が苦手(閉回路の切り分けと電流の流れる方向、それに伴う電圧降下の考え方が、どうも理解出来ない)なのだが、この参考書を手にとった際に出てきた“ミルマンの定理”は、まさに目からうろこであった。これならいちいち閉回路の切り分けをする必要もなく、極端な話、しょっぱなからオームの法則だけで問題が解決する。
キルヒホッフの法則は、電気理論では基本中の基本だからきちんと理解するべきであろうけれど、一アマの試験においては、理論をマスターするよりも合格する事が重要となる。そういう意味では正しい結果が得られればよいのであって、その途中経過を云々する必要はない。自分が解きやすい、理解しやすい手法を知るという意味で、この本はひじょうに優れたものであった。この本に書かれている数式は、試験勉強だけではなく職種によっては実務でも充分に役立つものであり、一冊手元に置いておいても損はないと思う。
(2).勉強方法
とにかく勉強を楽しむ事が出来る様になれば、もう合格は目前だと思う。私は早起きがあまり苦ではないので、朝から勉強を行い、最後まで平日は1時間、休日は3時間を勉強時間に当てていた。先にも述べたとおり、早起きが苦でない私は、会社での始業前一時間、土日は朝食を済ませたあと6:00から3時間ほどを勉強に当てていた。6:00から勉強を始めれば3時間やったとしても9:00には一度学習を締める事が出来る。
そのあとはどのように時間を使おうが自由となる。気分転換をしようが遊びに出かけようが好きにすればよい。内容の進捗は別にしても、きちんと時間を区切って意識や気持ちを変えるような事を心がけた方が、むしろだらだらと勉強を続けるより結果は良いように感じる。
(3).ノート
私は“コクヨ リングノート キャンパス A4 A罫 40枚 青 ス-T220AN-B”
( https://www.google.com/search?client=firefox-b&q=%E3%82%B9-T220AN-B )
を一貫して愛用した。通常のA4サイズノートでは、両開きとなって実質サイズがA3となり、不必要に場所をとるが、リングノートなら完全に二つ折りに出来る事から、名前の通りA4サイズとなって、散らかった机の上でもなんとか使用可能となる事が愛用の理由である。
(4).筆記用具
特にこだわる必要もないと思うが、私の場合、先のノートと同様、シャープペンシルは三菱のクルトガ、赤ボールペンにパイロットのマルチボール 細字(LM-10F-R生産終了?)を使っていた。但し,マルチボールは使い捨てでインク交換は出来ず、また書き味がひじょうに硬いことから、少し力を入れて書くとカッターで紙を切るようにノートに切れ目が入ったりする。
余談だが、第一級アマチュア無線から自信を得てその後に臨んだ試験(電験三種)では、同じくパイロットのアクロボール150 細字 0.7mm、青と赤(青
BAB-15F-LL/赤 BAB-15F-RR)二色を追加した。“験担ぎ”みたいなものだが、 ラジオを聴いていた際に、「受験に成功する人は、筆記用具に青色を使っている人が多い。青は人の記憶領域に影響を及ぼす色だから」。という話を聞いて青インクを加えただけだけであり、あまり気にする必要はないかもしれない。
(5).神頼み
これは本当に“験担ぎ”だが、時間があった際にサイクリングがてら高尾山に登ったとき、合格祈願の神様を見かけて1アマ合格を御願いした。これが蛸の神様で、木彫りの蛸の御神体を持ち上げて願掛けを行い、元の場所に戻すと試験に合格する(オクトパス“置くとパス”の駄洒落)というものだったが、このようなユーモアを含んだ神様は、日本各地にある。勉強自体を楽しめるようになったら合格も近い。という意味では、気分転換にこういう場所に赴くのも一興だと思う。(私の場合はたまたま見かけたものだったが)
6.最 後 に
長々とくだらない事を書き上げたが、実際にCWの実技がなくなってしまった1アマの試験は、ひじょうに合格しやすい試験になった事は間違いない。実際、CWの実技試験は、努力だけではどうしようもない。という話を受験に挫折した人達から嫌と言うほど聞いてきた経緯があるし、事実そういっても差し支えない状況だった。
仕事でたまたまお話を聞く機会に恵まれた、ある会社の相談役をされておられる1アマOM氏は、5回の受験を経てようやく合格した。という話をしておられた。なんせ3回目以降の受験では、無線工学と法規の勉強はやらず、CWだけの訓練に時間を割いていたという。もはややり込んでしまって無線工学や法規の問題は、勉強しなくても合格は確実だったから。と言う事だったが、裏を返せばそれだけCWの実技の壁が厚かった。という事になる。
今であれば、4アマの資格を取り、アマチュア無線の面白さに目覚めて1年くらいよいOMさんの元で真剣に運用を行えば、1アマの合格は、勉強と努力だけでどうにでもなる状況だと思う。Q符号は本来、CWで使われるものだが、4アマでも会話の中で頻繁に使われる。それでQ符号が覚えられれば、それだけで受験が楽になる。もし、現役でアマチュア無線の上位資格を目指しておられる方がおられるのなら、もうああだこうだ考えるよりも、すぐに参考書を買ってきて勉強を開始されたほうがよいと思う。現役で運用中というのは、たとえその資格が4アマであっても試験勉強においては絶対に負担が減るはずである。
長々とくだらない事を書き記しましたが、これが今後、アマチュア無線の上位資格を目指される方々の参考になれば思います。